逸材FWが川崎を選んだ理由 激しい争奪戦も…決め手となった“お手本の存在”「非常に魅力的」

川崎内定が決まった国士舘大の本間凛
3月24日、国士舘大学のエースストライカー・本間凛の川崎フロンターレ入り内定が発表された。
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本間は181cmのサイズとずば抜けた身体能力を駆使し、激しい前線からのプレスと一瞬スピードから裏に抜け出してゴールに迫る。ヘッド、ドリブルシュート、ワンタッチプレー、ワンツーやオフ・ザ・ボールの動きからのラインブレイクと、多彩なゴールアプローチが特徴だ。昨年は関東大学サッカーリーグ1部で得点王に輝き、ゴール以外にもショートカウンターの起点や攻撃の流動性を生み出せる力も持つ。
昨年からJ1クラブの激しい争奪戦が繰り広げられていたが、射止めたのは川崎だった。数ある正式オファーの中で、最後はJ1の3クラブに絞った末での決断。その理由はしっかりとした自己分析と将来のビジョンから来るものだった。
「僕はポテンシャルと言うか、身体能力で押し切れてしまうことがあって、それではいつか限界が必ず来る。自分よりもフィジカル的に強い人、能力が高い人が来れば、負けてしまって上にいけなくなる。そう考えた時に『上手くなる』という部分では、絶対に必要な要素がフロンターレにはある。他のJクラブでも必ず今よりは上手くなれると思うのですが、フロンターレが一番成長できる場だと思ったので決断しました」
本間が求める『上手くなる』という部分。それは足元の技術だけではなく、ストライカーとしての駆け引きなどの引き出しを増やしていくことだった。
「僕が好きなストライカーは小林悠さんと興梠慎三さんで、自分がプロになりたいと憧れていた小学生、中学生の時に一番見ていた選手で、その時の僕はFWではなかったのですが、『点を決める人はかっこいいな』と憧れる一方で、『なんでこの人はまた決めちゃうんだろう?』、『なんで必ずチャンスのところにいるんだろう』と率直に疑問に思っていた選手でした。高校、大学と徐々にプロというものが現実味を帯びていくようになっていくにつれて、憧れからお手本に変わって行ったんです」
2人のプレーを見れば見るほど、そのゴールに至るまでの駆け引き、ボールが動く中での細かいポジショニングと動き直し、そして一瞬の隙を逃さない嗅覚と大胆さ。『繊細さと豪快さを兼ね揃えたストライカー』が彼の理想像となっていった。
「興梠さんは引退してしまいましたが、小林選手は現役で駆け引きの質はさらに磨かれているように感じます。その小林選手と一緒にプレーできる環境も非常に魅力的で、実際に目の前で駆け引きの質だったり、幅だったりをより細かく見て、パスを引き出すタイミング、相手のマークを外すタイミングなどを身に付けたいと思っています」
個人的に本間は興梠のような身体能力と、一瞬のスピードで相手を凌駕する能力を持ち、小林のように判断を途中で変えながら、相手の死角を巧みに取って飛び出していける能力も持っていると思っている。ストライカーとしても、1.5列目のアタッカーとしても、能力的には左右のサイドハーフも、持ち前の身体能力を活用しながら違いを出すことができる存在だけに、川崎としては非常に大きな補強になるだろう。
「今フロンターレに在籍するFWの選手たちはみんな自分にないものを持っているのですが、僕が負けないのはスピード、キレ、守備の献身性。攻守において切れ間のない出力が自分の武器なので、上手さを身につけながらも武器はしっかりと磨いていきたいし、もっとパワーをつけていきたいと思っています」
進路は決まった。あとは国士舘大のために、そしてプロとしての足掛かりとなる1年にするために。理想像を追いかける日々から、超えていく日々へとフェーズは変わった。
「僕も子供たちに『また本間が決めるんだ』と思われたいし、『なぜそこにいるんだ?』と思わせるプレーをどんどんしたい。本当に自分を育ててくれた国士舘大、必要としてくれたフロンターレのために、自覚を持って取り組んでいきたいと思います」
記録にも記憶にも残るストライカーになっていくために。本間は自らに期待を寄せながら、学ぶ姿勢と向上心を携えて己のポテンシャルをひたすらに磨いていく。
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』(共に徳間書店)、など15作を数える。名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクターも兼任。

















