浦和が直面する”変わらぬ課題” 助っ人離脱も影響…王者から「学ばなければいけない」

浦和はPK戦で柏に敗れた
浦和レッズは3月18日のJ1百年構想リーグ第7節で柏レイソルと対戦し、1-1の同点からのPK戦に2-4で敗れた。パワーを掛けた立ち上がりから、試合終盤に息切れしていく展開には変わらぬ課題が横たわっている。
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浦和はマチェイ・スコルジャ監督が「前半は高い強度でハイプレスを掛け、結構それが効果的だったと思います」と振り返ったように、ボールを持つ長所がある柏に対して果敢な姿勢で入った。それは柏のリカルド・ロドリゲス監督が「試合のスタートから浦和が特徴ある守備をしてきて、ビルドアップに圧力を掛けていました。マンツーマン気味に来て難しい状況もあった」と振り返ったように、試合への影響力もあった。
そうした中で浦和は最前線のFWオナイウ阿道が抜群のキープ力を見せたこともあり、スコアレスだったとはいえ悪くない前半を過ごしたと言える。後半4分にはセットプレーから先制点も奪った。しかし、90分の試合という点で見ると、ペース配分は明らかに「飛ばし過ぎ」の気配があった。ボール保持率だけでなく押し込まれてゲームを制圧され始めると後半21分に同点ゴールを許し、その後はかなり厳しくなった。自陣に閉じ込められる時間が長くなり、ホームの浦和がPK戦にようやく持ち込むような形でのラスト25分ほどになっていた。
スコルジャ監督は試合後の記者会見で、この状態に陥った要因を「前半から長い時間ボールをキープすることはできなかったと思います。切り替えが何度も続くような流れでは、焦れずにキープすることがあって良いと思います。サイドチェンジしながらハーフスペースを使ったキープのできる時間もありましたが、ハイプレスの後や切り替えの連続の後は体力の消耗があるので、回復のためにボールを握ることを意図を持ってやることも必要だと思います」と話している。
このボール保持能力、あるいは攻撃のスピードコントロールは浦和の課題として存在し続けている。指揮官が「高めのゾーン2、ゾーン3でサイドチェンジしながらキープすべき場面で、焦れて攻撃を仕掛けてしまう場面があったと思います。もちろん相手からボールを奪った瞬間には縦に速いプレーを要求しています。ただ、切り替えで速攻ができない時にはキープをしないといけません」としたが、浦和では伝統的なサポーター人気も含め強引に仕掛ける選手が好まれる部分も、クラブがそのようなタイプの選手を次々に獲得してきたのも事実だろう。
ここ2シーズンで言えばMF金子拓郎とMFマテウス・サヴィオは、イチかバチかの仕掛けでもスピードを上げるプレーを好むタイプだ。それは彼らの長所でもあるが、指揮官の話すような忙しい展開と体力消耗を招く側面もある。中央で効果的な”スピードダウン”ができるタイプのMFサミュエル・グスタフソンが開幕から離脱中なのも要素として大きいが、良くも悪くも勢いに任せた一本調子なゲームになりがちだ。特に今季は昨季よりもハイプレスに取り組んで、前線に素早くボールを送ったところに押し上げていくだけに、その傾向も強まる。
MF安居海渡は「もう少しボールを触る回数を増やして前に前になりすぎず、もっと横にでも今日は良かったのかな」として、「引きつけるところができれば変わってくると思いますし、一人がプレスに来ている選手をかわすこともあれば、変わってくると思うので、そこの勇気も必要」と話す。また、GK西川周作は鹿島アントラーズを引き合いに出して「プレー以外のところでの時間の持っていき方は、やっぱり学ばなければいけない」と、90分を戦い抜くために必要な要素に触れた。
タレントある前線の選手たちの存在と、チーム全体が上手くゲームを進めていくために必要なコントロールの両立。勢いだけでなく、安定感のある試合運びで勝ち点を重ねるためには避けて通れない部分をどう解決していくのか、その変わらぬ課題があらためて浮き彫りになったゲームになった。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



















