年間1400試合観戦…Jクラブ海外スカウトの仕事 スペイン紙特集「日本は独特な文化」

浦和でスカウトとして働くロレンソ氏がインタビューに応じた【写真:徳原隆元】
浦和でスカウトとして働くロレンソ氏がインタビューに応じた【写真:徳原隆元】

浦和と提携して海外スカウトを務めるエミリオ・ロレンソ氏の仕事内容とは

 浦和レッズと提携して海外スカウトを務めるエミリオ・ロレンソ氏のインタビューがスペイン紙「エル・ディア」に掲載されている。

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 ロレンソ氏は現柏レイソルのリカルド・ロドリゲス監督が徳島ヴォルティスを率いていた当時に目に留まり、それがキッカケになって今では浦和や欧州、アジアのクラブと提携してスカウト業務を行っている。「週末は早起きして、各国リーグやアジアカップなど代表戦を追っていた」と振り返り「専門性を高め、最終的には国際市場だけでなく国内市場においても、頼りにされる存在になった」と自身のキャリアのスタートを語った。

 徳島時代には、川崎フロンターレからレノファ山口に期限付き移籍していたFW宮代大聖の獲得を進言したという。その宮代は現在、ロレンソ氏が居を構えるスペインのテネリフェ島でプレーしている。それだけに「あのレベルで戦っている姿を見るのは嬉しく思う」と話している。

 インターネットを中心とした試合の視察を「1月から2月にかけては246試合を観戦し、サッカーを最も多く観た2024年には、およそ1400試合、1日あたり3.8試合でした」と話す。そのうえで「たとえ選手が自分の好みに合っていたとしても、気候や国、チームメイトに適応できないかもしれない。周囲の環境も考慮しなければならない。日本のような独特な文化を持つ国では、潜在能力と同じくらい、その人柄が重要になる」と、スカウトのポイントを述べている。

 一方でロレンソ氏は「浦和では」としたうえで「文化的に日本に適したリーグを分析し、差別化できると考える選手を提案している」という。しかし、多くの場合に代理人の活動がスカウトの業務を妨げているとして「ときには、裏でビジネスが過剰に行われていたり、親密すぎる関係があったりする」との告発もしている。そのうえで「エージェントは自分の選手を推薦してくるが、我々の使命は彼らが適任かどうかを判断することだ」と、その役割の違いにも理解を示している。

 ロドリゲス監督が就任した2021年からの浦和は、ノルウェー人FWキャスパー・ユンカー、デンマーク代表招集歴のあるDFアレクサンダー・ショルツの加入をスタートに、スウェーデン代表歴のあるMFダヴィド・モーベルグやMFサミュエル・グスタフソン、FWイサーク・キーセ・テリン、ノルウェー人DFマリウス・ホイブラーテンといった北欧系の選手が多く加入した。それについてロレンソ氏は、2月から12月までの大会日程がほぼ完全に一致するスカンジナビアのリーグとの移籍を容易にしていたことを指摘している。

 ロレンソ氏の活動や情報収集の大部分はインターネットを介して行われる。サッカー界の新たな局面を「チャンスはインターネットにある」として、サッカーは世界中のスタジアムでプレーされるが、偉大な才能はデスクの前で2つの画面の間を往復し、ときには深夜に及ぶ作業のなかで見つけ出されるとされた。

 様々なツールやデータ分析など周辺環境も大きく進化して変化していくサッカー界では、膨大な選手のデータやプロフィールが手に入る。しかし、最終的に生身の人間がプレーする際のマッチングも考慮しながら選手を発掘するスカウトの存在は重要性の高いものになっている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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