亡き父のため「サッカーをやる意味」 J1内定の主将が抱く思い…公言した「すぐに海外」

キャプテンマークを巻いた常藤奏「技術で違いを見せないといけない」
第25回大学日韓(韓日)定期戦が3月15日、愛知県のウェーブスタジアム刈谷で行われ、全日本大学選抜が全韓国大学選抜に2-1で勝利した。この試合でキャプテンマークを巻いたDF常藤奏(中央大学)は、右サイドバックで90分間タフにプレーした。
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黄色の腕章を巻いた背番号2が右サイドで躍動した。持ち前の運動能力を活かした競り合いや、対人守備で韓国のアタッカーにほとんど仕事をさせない活躍ぶり。攻撃でも積極的に高いポジションを取るなど、右サイドを圧倒。この試合の優秀選手の1人にも選ばれ、訪れた約1000人の観客から拍手喝采を浴びた。
常藤にとって今回が3回目の日韓戦になった。「韓国が日本に対してどういう熱量で来るのかっていうのはもう分かっていた」。腕章を巻き、責任感を感じながらプレーしたこの一戦を振り返る。
「主将として今回やるからには、負けられないっていう責任感もありつつ。チームのために誰よりも走って戦うっていうところを、個人的には意識してプレーしてました」
3月6日には、2027年から柏レイソルに加入することが正式に発表された。周囲からの見られ方にも変化が生まれ、自らへの要求も高くなったという。
「柏の名前を背負っている以上は、やっぱり技術で違いを見せないといけない。もっともっと攻撃のところでクオリティを出していかないと、柏の選手たちはもっともっとクオリティーが高いので。責任というよりも、自分自身が試合に出るための戒めじゃないですけど、ここで培っていきたいと思います」
所属する中央大学でもキャプテンを務める常藤は、言葉で周囲を引っ張るタイプではないと自身の立場を考えながら、キャプテンとしての振る舞いにも意識を向ける時間が増えたと話す。持ち前の明るさをチームに還元しながら、自分だけのキャプテン像を作り上げていく。
「自分が言葉でどうこうっていうタイプではないんで、ピッチの中で誰よりも戦って走って、背中で見せるのが、自分らしさなんじゃないかなっていうのも思いつつ。持ち前の明るさを生かして、チームの雰囲気、モチベーションを上げるっていうところは、意識してやっていこうかなと思ってます」
後半途中には、同じく柏内定が発表されたFW古谷柊介(東京国際大学)と右サイドでコンビを組んだ。「もっと2人で、若手からプッシュアップしていかないといけないなと思ってます」。かつて敵としてマッチアップした同期と高め合いながら、柏で活躍するイメージも膨らませている最中だ。
明治安田J1百年構想リーグの開幕直前のキャンプにも参加し、リカルド・ロドリゲス監督との面談を経て、目指すべきものも明確になった。リカルド監督から伝えられたのは、「ツネならできるよ」という言葉。海外で活躍し、2030年のワールドカップに出場することを大きな目標に据えた。
「Jで1年半から2年間くらいプレーして、すぐに海外へ行って、2030年のワールドカップに出ますっていうのを公言して。リカルドさんからも、『ツネはそこに出場できるから、まずは身体作りと、技術のクオリティ、コンビネーションのところを柏で培っていけば』と言ってくれた」
指揮官からの言葉に加え、1年前倒しでプロ入りを決めたDF池谷銀姿郎(筑波大学→ガンバ大阪)の存在も大きい。選抜などで共闘した同期を引き合いにしながら、高みを目指していく。
「やれる自信はもちろんありますけど、現に銀姿郎とか1年早くプロに行って、そう甘くない世界がJリーグだと思うんで。やっぱりそこで活躍するためにも、もっとここで頑張りたいなと思ってます」
そして、常藤の心の中には、2024年に亡くなった父への思いがある。突然の出来事に、「何が起こったのか分からなかった」と当時を振り返り、「今はもう父のために、お母さんのためにやるっていうのが、目的というか、サッカーをやる意味、ではないですけど」と言葉を紡いだ。ピッチでの活躍を家族に届けるために、「自分がこの世界でトップレベルにたどり着くだけだと思うので。頑張りたいです」とピッチを見つめた。
柏での活躍の先にある、世界の舞台。その頂を見据える常藤は、家族への思いを胸に、プロの世界へ踏み出そうとしている。さまざまな思いを力に変えながら、常藤はプロでの活躍を目指していく。
(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)




















