大久保嘉人が資金調達「日本のため」 移住先スペインで新クラブ創設…10部から挑戦「全てを捧げる覚悟」

大久保嘉人が新クラブを立ち上げ【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
大久保嘉人が新クラブを立ち上げ【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

大久保嘉人が「Sol Naciente」で成し遂げるビジョン

 元日本代表FW大久保嘉人氏が3月8日、スペイン10部相当の新クラブ「Sol Naciente(ソル・ナシエンテ)」の新クラブダイレクターに就任したことを発表した。所属は18〜23歳という育成型クラブで日本人のストライカー数人を国内セレクションにて選考予定。将来的に同1部のラ・リーガ入りを目指す。大久保氏は移住先のスペインで創設した理由やビジョンついて「FOOTBALL ZONE」のインタビューで明かした。(取材・文=FOOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

【PR】ABEMA de DAZN、2/6開幕『明治安田Jリーグ百年構想リーグ』全試合生配信!毎節厳選6試合は無料!

 ◇   ◇   ◇

「一言で伝えるなら日本のために、日本に還元したい」

 一時帰国中の大久保氏は、眼光鋭く、晴れやかな表情で語り始めた。新クラブダイレクターに就任したクラブ名「Sol Naciente」はスペイン語で「日出ずる国」を意味する。日本を背負い、スペイン10部相当の北東部カタルーニャ4部クラブから昇格を目指していく。このプロジェクトは、単なる地方クラブの運営ではない。自身の人生を懸けたサッカー界への“恩返し”の始まりだ。

 昨年4月にスペインへ移住。その直後、NSG Global Pte Ltdが運営するサッカー留学プログラム「アルビレックス新潟バルセロナ」の活動終了を知った。話し合いを重ねていくなか、クラブを受け継ぐ形で新クラブダイレクターとして立ち上げを決意。所属を18〜23歳に限定して、日本人数人をセレクションにて選考することを決めた。

「日本人を少なくして、競争を激しくしたい。ポジションもストライカー、FWだけにします。週に1回は僕が直接指導して、メンタルから鍛え上げたい。大久保嘉人のようなストライカーを育てます」

 J1通算191得点の最多得点記録保持者。川崎フロンターレ時代には3年連続で得点王に輝いた。ゴールへの道筋を知る大久保氏だからこそ、5月に日本国内で開かれるセレクションでは自らの目で選考する。合格者の数人には衣食住や語学学校の費用など全面的にサポートし、無料で提供を予定している。

 スペイン10部のクラブだが「勝利給なのか、ボーナスなのか。選手が戦うためのモチベーションになるようなことはやろうと決めている」という。そのために一時帰国中の現在も自らスポンサーを探し、頭を下げ、“営業部長”として数日間で膨大な資金を調達。「選手のためももちろんですけど、日本の企業のためにもなりたい。その想いも伝えたくて自分で話をしに行っています」。日本の力を集結させ、クラブとして大きく成長するのが目標だ。

インタビューに応える大久保嘉人【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
インタビューに応える大久保嘉人【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

新クラブを率いるのはヤマルの“恩師”

 現在、バルセロナで語学学校に通っており、スペイン語はメキメキと上達。「毎日、市バスに揺られて1時間かけて行っています(笑)。異国の友達もたくさんできて、年下からも刺激をもらっていますね」。毎週のように進級テストがあり、クラスレベルをキープするためにも猛勉強を重ねる。

 約1年で日常生活に「不便はなくなった」といい、ここからはサッカーに必要な細かいニュアンスや言い回しなども習得していく。クラブ運営のなかでは、並行して指導者に必要なスキルも身につけるプランだ。「Sol Naciente」を率いるのはかつてスペイン1部FCバルセロナの同国代表FWラミン・ヤマルらを選抜代表で指導したベテランのヘス・ス監督。地元でも有名な育成眼に長けた指揮官で、大久保氏も絶大な信頼を置く。人工芝のピッチを完備し、2000人規模の本拠地も構えられる。抜群の環境面だ。

「長年スペインで指導してきた日本人コーチの所属も決まっているので、選手もすんなりサッカーに打ち込めると思う。個人昇格は大歓迎。クラブは1年ずつ、1カテゴリーずつしか上がれないけど、所属した選手たちはどんどん上に行ってほしい。結果的にプロになったり、代表に選ばれてサッカー界のため、日本のためになれたらいいなと思っています」

 壮大なプロジェクトはセレクションを経て9月からスタートし、2026-27シーズンから勝利を追い求めて戦う。かつてスペイン1部マジョルカでプレーした経験も惜しみなく伝えていくつもり。「貪欲な選手が多い。僕のすべてを捧げる覚悟です」。カタルーニャの空の下、新たな「日」は昇ったばかり。自らの背中でゴールを語ってきた男が、今度はその手で、未完の大器を磨き上げる。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング