浦和の“万能”サイド職人がハリルJ初参戦へ プロ入りも危ぶまれた苦労人は“周囲を輝かせる”

29歳の宇賀神が日本代表初選出 左右両サイドと3バックのストッパーでプレー可能

 浦和レッズのMF宇賀神友弥が、バヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表に初招集された。29歳と遅咲きの初選出となった男は、一時はプロ入りも危ぶまれた苦労人で、そこから這い上がってきた。

 ハリル監督は選出にあたり「長い間ずっと追跡してきた選手だ。彼の監督とも話をした。4バックの左として考えている。右もできる感じがする。右利きですが。3バックで右センターバックもやっていた。過去にもこのポジションはいろいろな選手を呼んでトライしたが、今度は彼の番だ。すごく若いというわけではなく経験もある。この合宿でどんな活躍をするか」と期待を語っている。

 宇賀神は浦和ユースでプレーしていたが、トップチームへの昇格は勝ち取れなかった。流通経済大学でプレーを継続していたが、Jリーグからのオファーはなかなか届かない。「もうプロにはなれないのか」と思っていた時に、当時のフォルカー・フィンケ監督が率いる浦和から練習参加の打診があり、高い評価を得て加入を勝ち取った。浦和の下部組織出身者では初となる、大学経由のトップチーム入りだった。

 それから宇賀神は4バックであればサイドバック、3バックならウイングバックを主戦場に、左右両サイドと3バックのストッパーも務めるユーティリティー性を発揮している。DF槙野智章やFW原口元気(現ヘルタ・ベルリン)、FW武藤雄樹、FW高木俊幸など個性の強いメンバーが入ることが多い浦和の左サイドで、周囲の良さを引き出す利他性を発揮している。多くのサイドプレーヤーが浦和に所属してきたが、宇賀神がポジションを確保しているのは、彼を触媒にしてサイド全体のクオリティーが高まるからだ。

 

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