8年前の苦い記憶…「ほかの選手にさせたくない」 求められる”常勝軍団”の復活「たくさんの人を待たせている」

鹿島DF植田が勝利に貢献
鹿島アントラーズが9年ぶりのJ1リーグ優勝に大きく近づいている。11月8日に行われたJ1リーグ第36節の横浜FC戦、前半は逆転での残留を目指した相手に苦戦を強いられたが、後半にしっかり2得点を挙げ、相手の反撃を1点に抑えて2-1で勝利した。
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試合後、キャプテンマークを巻いたDF植田直通は「前半は自分たちの戦い方が堅かった。負けない戦い方を選んだと思う。鬼さん(鬼木達監督)にもそう言われましたし、自分たちから点を取りに行く姿勢を後半は見せられたと思う。前半はちょっと消極的すぎた。みんなも負けられないという思いが強くて、チャレンジより失点しない戦い方になっていたと思います」と、前半の戦いぶりを反省した。
鹿島にとっては久しぶりとなる優勝争いに絡んで迎えるシーズン終盤だ。「こういう(優勝を争う)経験をしていない選手もいるし、自分たちもやっぱりこの3試合は『プレシャーがない』とは言いつつもみんな感じている。『自分たちはチャレンジャー』と言いつつも、そういうの(慎重になる気持ち)はあると思う」と言い「今日、やってみてそういう姿勢じゃ駄目というのはみんなわかったと思うし、後半のように自分たちが攻めていく、そういう姿勢を見せることで自分たちのサッカーができる、そういう姿勢を見せられたのは、次の試合につながると思います」と、この試合で自分たちが残り2試合をどう戦うべきかが見えたと振り返った。
自身が若かった時にタイトルを獲得した時を振り返る植田は、「あまり優勝ということを考えていなかったと思います。若かったからかもしれませんが、目の前のことに必死でしたし、目の前のことしか考えられない。そういう状況はすごく大事だと思う。今こうやっていろいろ経験してきましたが、この年になっても、その姿勢は大事かなと思います」と言い、現在の若手には「いけいけどんどんで良いと思う」と続けた。「バランスを取るのは僕たちがやる。そういう(若い)選手には自分の良さをトコトン出してほしい。そういう姿勢を見せることで、チームの士気も上がる。若い選手にはチームのことを考えるより、自分のプレーに集中してほしい」と、語った。
圧倒的な強さを誇っていた頃、鹿島にはMF小笠原満男をはじめ、チームを引っ張っていく選手がいた。そうした立場になったと指摘された植田は「僕なんかまだまだ。あの方達は何十個というタイトルを取ってきた。あれこそが常勝軍団だと思いますし、あれを僕が出すことはできないと思いますが、自分が経験してきた悔しさ、いろんなものは還元できるものはあると思う。このタイトルを取ることで、自分もそうですが、若い選手達も喜ばせることができる。それがあるからこそ、次のタイトルが欲しいと思えるのは、昔からあると思う。それがあることでチームがもっと強くなると思うから、今年は優勝しないといけない。このチームはタイトルを毎年、取らないといけないチームだし、それだけたくさんの人を待たせている」と、語気を強めた。
植田、そして鹿島に苦いシーズンとして残っているのは2017シーズンだ。勝てば優勝という最終節、ジュビロ磐田と0-0で引き分けて優勝を逃し、当時、鬼木達監督が率いていた川崎が逆転優勝を飾っている。「あの経験をした選手も、僕を含めてまだ残っている。あの経験はほかの選手にさせたくない思いが強い。あの経験があるからこそ、自分たちは強くなれたと思えるし、あれを繰り返さないためにも自分たちが経験したことを全部伝えたい。少し期間が空く中で、この中でも成長できることもある。この期間でどれだけ成長できるかもあるので、今までやってきたことプラスもっとできることを増やす。それに集中していきたい」と、残りの2試合を見据えた。
(河合 拓 / Taku Kawai)





















