本田、恩師解任危機に強行合流!地元紙「ミラニスタの模範」と絶賛

本田は「本当に金の延べ棒」

 ACミランの日本代表FW本田圭佑が23日のアジアカップ準々決勝UAE戦で敗退後、ミラノ市内の空港から合宿地に直行。負ければフィリッポ・インザーギ監督の解任濃厚な27日のイタリア杯準々決勝ラツィオ戦に向けた強行軍が「ミラニスタとしての模範」と地元メディアに評価されている。イタリア地元紙「コリエレ•デロ•スポルト」が報じている。

 シドニーで延長120分間の死闘の末、PK戦1人目のキッカーとして失敗し、失意のまま大会を去った本田は25日夜にミラノ市内のマルペンサ空港に到着すると、そのままチームが合宿を行うミラネッロに直行。オーストラリアからイタリアへの長距離フライトに加え、中3日で迎えるラツィオ戦に向けた強行移動がイタリアで大きな話題になっている。

「ミランにはこういう選手がもっと必要だ。この日本人は注目を集めている。オーストライリアからすぐに日曜日にマルペンサに到着すると、合宿中のチームに合流するためミラネッロにやって来た。ミラノの自宅に戻ってから来たらいいと勧めたスタッフもいた。だが、無駄だった。ケイスケはその理由も聞きたくなかったし、どうすることもできなかった。昨日の朝、通常通り練習して、今夜イタリア杯でベンチ入りする。本田はみんなの模範となる選手だ」

 記事ではスタッフの制止を押し切って、空港からミラネッロに駆けつけた本田のモチベーションの高さと姿勢を評価している。この姿勢は現役時代のフィリッポ•インザーギ監督の行動に似ていると記事では指摘している。

 2006年7月にセリエA全体を包み込んだ八百長スキャンダル勃発時に、ミランは勝ち点8を剥奪され、2位から3位に格下げとなった。欧州チャンピオンズリーグで本戦から戦うはずが、予選リーグからの挑戦を余儀なくされたミランのチーム状況から、スーペルピッポはサルディーニャ島でのバカンスを24時間以内に切り上げ、ミラネッロに戻ってきたという。そして、英雄ピッポはレッドスター•ベオグラード(セルビア)とのCL予選2試合でそれぞれゴールを決めて、本戦出場の立役者となったのだった。そして、CL決勝リバプール戦で2得点を決め、優勝に貢献している。

 今季6得点2アシストの本田だが、ピッチ外でチームにもたらす恩恵は大きいという。

「彼の態度は特にカーサ•ミラン(ミラン本社)における評価を高めた。本当に金の延べ棒だ。ピッチでも活躍。マーケティングでもすでに利益をもたらし、ユニフォームとスポンサー契約で収益は500万ユーロを超えている。すべては移籍後1年でのこと。本田はより高い年俸をあきらめて、コストゼロで移籍することも承知した。インザーギが言うように、本田は寝ているときにも練習している。このプロ意識の高さを今季のミラニスタたちは見習うべき」

 アジアカップに参戦した本田不在の1月はリーグ戦白星なし。ミランは1941年シーズン以来という危機的状況に陥り、恩師インザーギ監督も解任間際まで追いつめられている。

 ミラニスタの手本とされた本田は今勝利に貢献することを求められている。

【了】

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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