指し示した「8」、掲げた腕章「いろんな思いがあって」…J1通算550勝達成で「幸せを感じないと」

喜田拓也がFC東京戦で先制ゴール
横浜F・マリノスはJ1リーグ第31節でFC東京に3-2で勝利し、17位をキープした。先に終わっていた横浜FCと湘南ベルマーレの一戦で、横浜FCが勝利していたため、敗れれば入れ替わりで降格圏に落ちていたが、勝ち点3を積んで残留圏内に留まった。
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チームを勢いづける先制ゴールを挙げたのはキャプテンのMF喜田拓也だった。前半の終盤に訪れた3度のチャンスを生かせず、後半の立ち上がりにFC東京の攻撃にさらされたなか、後半7分に高い位置でボールを奪い返した横浜FMは、左サイドからDF角田涼太朗がクロスを入れる。この折り返しに反応したのが、喜田だった。小柄なキャプテンは、鉄壁の守備を見せていたDFアレクサンダー・ショルツの背後を取り、ダイビングヘッドでゴールネットを揺らした。
喜田は絶妙なポジションをとれた要因について「クロスが上がってくるなという勘が働いて、あのポジションを取りました。オフサイドにならないようにだけ気を付けて、DFとの駆け引きに勝てたことが、あのゴールにつながったかなと思います。他の仕事も多くありますが、自分がゴールを決めることで伝えられるものもあると思っていたので」と自身が得点を挙げることで、チームを勢いづけることを考えていたという。
ゴール後には背番号を指し示し、キャプテンマークを掲げる姿も見られたが、「(理由は)1つではないので、短くは言えません。いろんな思いがあってやりました」と、チームバスが待っているなかで言葉を濁した。
喜田のゴールで勢いづいたチームは、3-0と一時リードしたが喜田を下げた後にバランスが崩れ、FC東京に1点差まで詰め寄られた。「クロージングに課題が残った」とキャプテンは言うが、それでもJ1リーグ通算550勝目を挙げることができた。
喜田は「その記録に関していえば、自分たちだけで積み上げたものではない。クラブで初年度から積み上げてきた歴史なので、それこそがクラブの価値だと思うし、たくさんの人が人生をかけてつないできてくれた歴史そのものです」と、先人たちに感謝するとともに、チームメイトたちに横浜FMを背負って戦っている意味をもっと感じてほしいと口にした。
「自分たちはその一端を担えている幸せを感じないといけない。このクラブには守らなければいけないものがある。今、そこを目指して本当に大きなパワーを使って戦っている最中ですが、本当の意味で、クラブにいる自分たちが理解して戦わないといけないし、ピッチに立たないといけない。自分だけが良ければいいという状況ではない。全員が『自分を犠牲にしてでも、このクラブのために戦う』と思えれば、絶対にその数字も積み上げていけると思いますし、このクラブの大切なものとして残っていくと思うので、そういう自覚をもってやっていきたい」と節目の数字に、あらためて気持ちを引き締めた。
(河合 拓 / Taku Kawai)





















