森保Jに負傷者続出の緊急事態「リスクは上がる」 代表OBが期待する”ファイター”「化け物級です」

フェイエノールトの渡辺剛【写真:Pro Shots/アフロ】
フェイエノールトの渡辺剛【写真:Pro Shots/アフロ】

【専門家の目|太田宏介】代表に負傷者が続出で渡辺剛に期待

 森保一監督率いるサッカー日本代表は9月の国際Aマッチウィークでメキシコ代表とアメリカ代表との対戦を控えるなかで、現在負傷者が続出している。元日本代表DF太田宏介氏が期待を寄せる選手を挙げた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 森保Jで3バックの左を担ってきたDF町田浩樹は今夏ドイツ1部ホッフェンハイムへ移籍をしたが、デビュー戦となった開幕節で負傷交代。前十字靭帯断裂と診断され長期離脱を余儀なくされた。また、名門アヤックスへ活躍の場を移したDF板倉滉も負傷し、重傷ではないものの直近の試合を欠場。他にも田中碧(リーズ)、守田英正(スポルティング)も開幕後の試合で負傷交代をしている。

 太田氏は「シーズン始まったばかりなので、欧州って開幕戦からフルスロットルでいかないというか、シーズンを通しながらコンディションを上げていく。だからプレシーズンなんかも日本に比べてガッと上げて上げて開幕の時に100%出せるようにってよりも70、80%で入ってシーズンを通して100に上げていくみたいなコンディション調整がメインだと思う。そのなかでそれぞれ選手はチャンピオンズリーグ予選があったり、カップ戦があったり、リーグ戦の強度が上がったり、移籍があったり、環境や戦う舞台が変わると、どうしても負傷のリスクは上がってしまいますよね」と、新チームや新環境による影響もあると指摘している。

「こういった怪我人が出るのは今年だけではないと思うんですけど、これだけ主力に出てしまうと9月から毎月代表戦あるんで不安ではありますよね」

太田氏が期待を寄せる”元同僚”CB

 シーズン開幕後に負傷者が続出している森保J。さらにDF陣だけでいえば町田の他に、冨安健洋(アーセナルを退団しフリー)、伊藤洋輝(バイエルン)も負傷離脱しており、トッテナムに移籍した高井幸大も練習復帰報道があったものの9月シリーズでは見送られる可能性は高い。

 そこで太田氏は今夏オランダのフェイエノールトへ移籍した渡辺剛に期待を寄せている。「FC東京で一緒にやっていたのですが、練習参加で来てた大学時代からめちゃくちゃ元気良くて、決して器用にプレーするうまいタイプではなかったけど、とにかく空中戦が強かった。相手のゴールキックの競り合いとか化け物級に高いです。跳ね返す力すごいですよ。いろんな選手とプレーしてきて、この空中戦は結構飛び抜けて強いです。上背が元々すごく高いわけじゃないですけど、跳躍力とその上の伸びみたいなのはものすごいもの持ってます。あとはチームメイトが言うことをしっかりと聞き入れる力があって、素直ですごく良いやつなんですよ」と人柄や対人の強さを絶賛する。

「すぐにレギュラーの座をつかんでFC東京でもタイトル獲って、E-1メンバーに呼ばれて、まさか海外移籍すると思ってなかった。でもベルギーで不動の地位を築いて、ベルギー国内でもステップアップ移籍もして、なおかつそこでも年間通してリーグもカップ戦もほぼフルでやって、とにかく怪我がない選手でタフなんですよね」

 渡辺はFC東京からコルトレイクへ移籍し、1年半主力としてプレーし23年夏に同国強豪のヘントへ移籍。ヘントでもチームを牽引し、昨季はクラブの年間最優秀選手に選ばれる活躍を見せた。

 そして今夏名門であるフェイエノールトへと移籍を果たし、加入直後からスタメンに定着。UEFAチャンピオンズリーグ予選では、チームは敗退したものの2得点を奪うなど奮闘した。

「僕自身はエールディビジ、特にフェイエノールトを追いかけて見てたんで、移籍の報道が出た時に剛が入ってくれることをめちゃめちゃ期待してた。昨季まで主力だったハンツコ選手が移籍しちゃって、剛はタイプ違うけどファン・ペルシー監督のコメント見てもすごく信頼されてるのが分かる。エールディビジの中でもフェイエノールトは、アヤックス、PSVと3強で不動の立ち位置なので、そこでレギュラーつかんで今活躍してる姿がものすごく羨ましくもあり、嬉しいですね

 剛のプロ初ゴールは僕のアシストなんですよ。そんなところから始まり、今やチャンピオンズリーグでも点を取ってすごいなっていうのと、エールディビジだと正直5大リーグに比べると劣る部分はあると思うんですけど、おそらく絶対的に名前は上がってると思うんで。新たなディフェンスリーダーじゃないですけど、このまま引っ張ってもらってほしいですね。ちょうど年齢的にも油が乗ってくると思いますし、来年ワールドカップあるんで、おそらく本人もそれを目指しての移籍だったと思う。オランダでも代表する選手になって、かつ日本代表を引っ張って行く選手になってほしいなって思います」

(FOOTBALL ZONE編集部)



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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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