PKキッカーを巡り”勘違い”発生? 監督は別選手を指名も…大ベテラン「そこにめがけて蹴れば」

FC東京は森重の劇的PKで勝利【写真:Noriko NAGANO】
FC東京は森重の劇的PKで勝利【写真:Noriko NAGANO】

FC東京は劇的PKで横浜FCに勝利

 ベテランの魂のこもった一蹴りが決着を付けた。FC東京は6月28日のJ1リーグ第22節で横浜FCと対戦し、2-1の逆転勝利を収めた。後半アディショナルタイム(AT)14分、途中出場で1得点を挙げていたFW長倉幹樹がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得すると、DF森重真人がボールを抱え、自らがキッカーを務めるという強い意志を示した。

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 FC東京は、第21節のG大阪戦でFWマルセロ・ヒアンがPKを失敗して0-2の敗戦を喫し、この試合でも0-1のビハインド時に新加入のDFアレクサンダー・ショルツがPKをGK市川暉記にストップされていた。

 試合後の監督会見で松橋力蔵監督は、1本目のPKキッカーについては「リハーサルで決めていました」と、チームとしてショルツにキッカーを任せていたことを明かし、2本目のPKでは想定外のことが起きていたと笑った。

「2回目のPKでは、僕は森重に『ナガクラ』と伝えたんです。『モトキ』と伝えたわけじゃなく『ナガクラ』と伝えたんですけど、彼がボールを放さなかったので。今、ロッカールームでは『モトキがモリゲに聞こえた』なんて言っていましたが、まったくそんなことはなくて。彼はある意味、記念すべき大記録を達成して、そういうなかで彼の思いを受け取って、彼に託して決めてもらったと思っています」と、最後はキックオフ前にJ1通算500試合出場のセレモニーのあったベテランに任せたと振り返った。

 ちなみにミックスゾーンでGK波多野豪に「PK蹴ろよ!」とイジられた長倉は、「昨年、外したトラウマがあったので」と、新潟の一員としてルヴァンカップ決勝でPKを失敗していたことから、自分が蹴るつもりはなかったと認めていた。

 森重は「監督は『モトキ、モトキ』って言っていたらしいですけど、『モリゲ』って聞こえたんで『俺だな』と思ったのですが、勘違いだったみたいです」とミックスゾーンでもとぼけたが、「でも、自分が蹴るって腹を決めたので。そこは最後、チームが苦しい状況のなかでチームに貢献したいと思った。後ろにサポーターもいましたし、そこにめがけて蹴れば入るかなと思った。いろんな人の気持ちが乗ったと思っています」と、最後はチームを勝利に導く決意をもってPKのキッカーを務めたことを認めた。

 このPKでチームを2連勝に導いたDFリーダーは、「結果的に勝てたので。この勝ち点3はチームにとって大きいですし、この2連勝を大事にするためにも、次の試合が大事かなと思います」と言い、試合前に子供たちから花束を受け取った試合での活躍に「今シーズン、自分のなかで苦しい時間も過ごしたし、子供たちもサッカーをやってくれているし、FC東京を好きになってくれているので。単純にサッカーを見るのも、やるのも楽しんでくれているので、そこでサッカー選手として父親として、いい姿を見せられたんじゃないかなと思います」と、笑顔を見せた。

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