格下に快勝も「これでは勝ち点を失いかねない」 牙城崩せず”危機感”「もっと求めていかないと」

ホームでヴェロスクロノス都農と対戦し3-0で勝利
名古屋グランパスは6月11日、天皇杯2回戦でヴェロスクロノス都農(宮崎県代表)と対戦し3-0の勝利を収めた。後半立ち上がりに先制点を決めたMF稲垣祥は、「リーグ戦がこれでは勝ち点を失う試合にもなりかねない」と、快勝しながらも前半をスコアレスで折り返した点について言及している。
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相手のヴェロスクロノス都農は宮崎県予選の決勝でJ3のテゲバジャーロ宮崎を2-0で下し、さらに天皇杯1回戦でも同じくJ3のガイナーレ鳥取を2-1で破り2回戦に進出していた。
それでも名古屋は試合の序盤からボールを握り支配し、両サイドを何度も崩し相手ゴールを脅かした。しかし、前半は相手もゴール前を頑丈な守備で固め、0-0のスコアレスで折り返した。
後半頭からMF浅野雄也と内田宅哉の2人を投入すると同2分、左サイドを崩し、最後はこぼれ球を稲垣がボレーで突き刺した。その後も名古屋ペースで試合が進み同22分にはこぼれ球をDF原輝綺が豪快に蹴り込み、同34分には原のスルーパスに抜け出したFW山岸祐也が冷静に決めて3-0とし3回戦へと駒を進めた。
下位カテゴリー相手に攻めながらも点が取れず、嫌な雰囲気があったものの、稲垣の貴重なゴールを皮切りに流れを持ってきたが、「結果が一番なので勝ち切ったことが全てだし、そこは素晴らしかったと思います。1個決めればチームとしても楽になって、より力抜けて点が入るなというイメージがあったんで、1個決められて良かったです。こういうゲームは1個入れば、どどどっていくっていくのは、よくあることなので、そこの勢いをつけられたのはよかったと思います」と試合を振り返った。
快勝のなかで感じたチームの課題
それでも、チームとして攻めながら前半をスコアレスで折り返した点について、「ゴール前での研ぎ澄ませ方とかクオリティーは、もっともっと求めていかないと。リーグ戦がこれでは、勝ち点を失う試合にもなりかねないので、そこは僕含め前線の選手はもっともっと上げていかなきゃいけないかなと思います。
ゴールに入る位置もあるし、シンプルに個人個人のゴール前のタッチ感覚とか、シュートの感覚とかっていうところもあると思うんで、チームとして積み上げていかなきゃいけないとか、チャンスクリエイトをもっと増やしていかないといけないっていうところと、個人個人でも、もっともっと研ぎ澄ましていかないといけないかなと思いますね」と快勝の中で感じたチームの改善点を話した。
また、リーグ戦では巻き返しを図っており、5月にリーグ戦3勝3分けと無敗で終えたが、まだ上位とは勝ち点10以上も離されている。それ故にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得できる天皇杯はリーグ戦同様に重要な大会となる。
「やっぱり僕らがアジアに出ていく、ACLに出て行くって意味でも大きな大会だと思うし、ルヴァンで1つ失った分、よりこの大会に懸ける思いというのは今年は強くなっていってるかなと思います」とアジアへの思いを語った。ボランチながらリーグ戦ではチームトップでリーグ全体でも5位となる7得点を決めている稲垣。チームを2021年以来のアジアの舞台へ連れていけるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)