58歳カズが今季初の公式戦へ「大丈夫」 相次ぐ筋肉系トラブルも…出場は「1回じゃダメ」

アトレチコ鈴鹿の三浦知良【写真:荻島弘一】
アトレチコ鈴鹿の三浦知良【写真:荻島弘一】

JFLアトレチコ鈴鹿のカズ、6月8日クリアソン新宿戦で今季初出場の可能性

 JFLアトレチコ鈴鹿のカズ(三浦知良)が半年ぶりの公式戦復帰へ意欲を見せた。コンディション不良で戦列を離れていた58歳のカズは6月1日のFCマルヤス岡崎戦で今季初のベンチ入り。同5日の練習後には「準備はしっかりとしていきたい」と、今季初出場の可能性がある同8日のクリアソン新宿戦(三重交通Gスポーツの杜鈴鹿)に向けて話した。

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 ポルトガルから帰国して鈴鹿に復帰したのは2024年7月。シーズン途中に負傷離脱しながらも12試合に出場したが、今季は出遅れた。1月にふくらはぎの筋肉を痛めると、その後も部位を変えて痛みが続いた。回復に向かったと思うと再び痛みが出る。その繰り返しに苦しんだ。

 それでもなんとか調子を戻し、5月11日の四日市大との練習試合で実戦復帰。同25日の大阪体育大と2試合をこなし「試合に出られる状態になったということ」(カズ)で、今月1日にアウェーで行われたマルヤス岡崎戦で今季初めてベンチ入りした。

 もっとも、状態は万全には遠く「まだ20、30%くらい」と慎重に話した。「四日市大戦ではスタメンで45分プレーしたけれど、内容は今ひとつだった。『試運転』というところまでは、いっていないかもしれない」。それでも大阪体育大戦ではゴールに絡むなど、求められる動きが少しずつだが見えてきた。

 午前、午後にわたって行われた今月5日の練習でも、紅白戦では控え組でプレーし、最後はレギュラー組に入って動きを確認した。急激に暑くなり、この日は30度近くまで気温が上がったが、「午後は軽めだったので大丈夫。大変だけどね」と笑いながら言った。

 もちろん、山本富士雄監督も状態は分かっている。だからこそ、ベンチに入れ、現時点でのカズのプレーが有効になるタイミングを見計らって起用するつもりだ。「マルヤス戦はベンチ入っただけで、何もしなかったから」と本人は話すが、山本監督は次戦に向けて「チャンスはある」と起用を示唆していた。

 筋肉系のトラブルが続くだけに、不安もある。「試合に出たら、また何か起きるかもしれない。繰り返しているから」。年齢的な問題もあるが、筋肉系の怪我は回復の判断が難しく「若くても、何度も繰り返している選手は多いから」とカズは説明した。

 JFLは6月、7月と週1の試合が続き、7月末で一時中断。8月末に再開する。「慌てることはないけれど、やはり公式戦に出ないとね。中断期間までは頑張らないと」。不安を残しながらも2か月を乗り切り、中断期間は治療を優先したい意向を明かした。

 6月8日の試合出場が期待されるが「1回じゃダメでしょうね」。ホームでの新宿戦の次は同15日のY.S.C.C.横浜とのアウェー戦。古巣・横浜FCのホーム、ニッパツ三ツ沢球戯場が舞台となる。「三ツ沢にちゃんと行けるように、今週の試合でいい状態を作っていきたい」。コンスタントに試合に出るために、新宿戦でカズが今季のスタートを切る。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)

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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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