森保Jが豪州に喫した「不相応な敗北」 英記者が指摘する要因…「久保の責任ではない」

英記者がオーストラリア戦を総括
日本代表は6月5日に2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でオーストラリア代表とアウェーで対戦し、0-1で敗れた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括した。
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森保一監督の厳しい表情が物語っていた。日本代表が2026年の北中米ワールドカップ(W杯)予選で初黒星を喫した瞬間、すでに出場権を獲得しているにもかかわらず、指揮官は無敗記録が途切れたことに不満を隠せなかった。
日本は経験不足のチームではあったが、精彩を欠くオーストラリアを相手にゲームを支配していた。それだけに不相応な敗北だったといえる。
トニー・ポポヴィッチ監督のやり方は、相手のミスを誘発し、それを罰するものだ。そして、オーストラリアは試合終了間際に決まったアジズ・ベヒッチの決勝点で見事にそれをやり遂げた。
日本は最初の45分を支配したが、相手にそれほど多くの問題を与えることはできなかった。ボール保持率やその他のスタッツではオーストラリアを上回ったが、GKマシュー・ライアンがセーブする場面はほとんどなく、スコアレスのままハーフタイムを迎えた。
森保監督が新しい世代の選手たちを起用する決断はポジティブだが、経験不足がゆえに優位性を生かすのに苦しんでいた。
鈴木唯人や平河悠は中盤での鋭いプレーや相手に食らいつく意志の強さで輝きを放つ場面もあった。しかし、久保建英が投入されるまでは真の決定機は訪れなかった。
このレアル・ソシエダの男は試合の残り30分で投入されると、そのクオリティーをすぐ発揮し、残り10分の場面では先制点をもたらす絶好のチャンスを手にした。しかし、このウインガーはネットを揺らすせず、シュートを珍しく枠の外へ外してしまった。
久保の責任というわけではないが、このミスが結果的に痛手となった。
試合終了間際、日本の守備陣はライリー・マッグリーに簡単に突破を許した。途中出場だった瀬古歩夢は十分な働きを見せられず、最後はマイナスへの折り返しをベヒッチが蹴り込んだ。
日本にとっては不当な敗北だったが、トップレベルの国際舞台ではこのような一瞬のミスが命取りとなる。若い日本代表は決断の重要性を学ぶことになった。
オーストラリアが日本の無敗記録に終止符を打ち、再びのW杯出場に前進した。日本はこの敗北を払拭するためにインドネシアとの試合に臨む。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)

マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。