21年から始まった物語 26歳の選手会長「ブレずにできる」…大一番で「アウェーを感じたい」

大久保智明が選手を代表して挨拶
浦和レッズは6月5日に公開トレーニングを実施。約500人のファン・サポーターが見守る中、選手会長のMF大久保智明が挨拶を行った。大久保は2023年のFIFAクラブワールドカップ(W杯)に出場した経験を持ち、大会を直前に控えた今、「今の自分のほうが自信も経験値もある」と、地に足の着いた姿勢で臨む決意を示した。
【PR】ABEMA de DAZN、日本代表選手の注目試合を毎節2試合無料生中継!
浦和は1日のリーグ第19節・横浜FC戦で2-1の勝利を収めた後、3日間のオフを経て、この日から再始動。オフ明けのトレーニングは、通常のリーグ戦期間中と同様のメニューが組まれた。練習終了後には、大久保が選手たちを代表してサポーターに向けて挨拶を行った。
浦和のクラブW杯出場は、2021年の天皇杯優勝を起点に、翌年から2年間にわたって戦ったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)での優勝により実現した。2023年末には、当時と同じマチェイ・スコルジャ監督の下、旧フォーマット(6大陸王者+開催国代表によるトーナメント)で開催されたクラブW杯に、サウジアラビア・ジェッダで出場。初戦でクラブ・レオン(メキシコ)に勝利したものの、準決勝ではマンチェスター・シティ(イングランド)、3位決定戦ではアル・アハリ(エジプト)に敗れた。
2021年に加入した大久保は、そうした歴史をすべて経験してきた選手の一人だ。それだけに、「ACLの決勝やクラブW杯を一緒に戦ってきたメンバーは減ったけど、マチェイさんの下でもう一度挑戦できるのは嬉しい」と穏やかに語る。前回のレオン戦ではGKとの1対1を決めきれず、悔しさが残ったが、「あの時と比べて、今の自分のほうが自信も経験もある。ブレずにプレーできると思います」と、落ち着いた言葉で意気込みを語った。
これまでにも、2022年ACLグループリーグがタイで集中開催されたり、2023年にはACL決勝とクラブW杯でサウジアラビアに遠征するなど、国際舞台に向けた特別な環境下でチームとして過ごす経験を積んできた。そうした中での集中力の高まりについては、「まだ時間があるので、チーム内で初戦の話はあまり出ていないけれど、環境が自然と意識を高めてくれると思う」と語っている。
初戦は現地時間6月17日、南米王者・リーベルプレート(アルゼンチン)との対戦が予定されている。「今感じているワクワク感以上に、もっと激しいものになるかもしれない」と厳しい試合展開を予想。実際、前回大会では相手選手に足を踏まれて足の甲を負傷し、翌年のプレシーズンにも影響が残った。多くの相手サポーターがスタジアムに訪れることも予想されるが、「プロになってアウェーを感じたのは、ACL決勝のアル・ヒラル(サウジアラビア)戦ぐらい。しっかりアウェーの空気を感じたい」と語った。
前回大会では、3試合を通じて浦和が主導権を握る時間は限られていた。しかし、レオン戦では後半に決勝点を挙げ、勝利を掴む経験もしている。世界大会を知る一人として、そしてシティ戦での「絶望感」を味わった経験を持つ26歳の大久保が、再び訪れる大舞台で成長した姿を示し、浦和に勝利をもたらしてくれるはずだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)