18歳で欧州へ移籍…日本人の決断「進路を選ぶときに」 感じた違い「そういう意識が低い」

なでしこジャパン古賀塔子「日本でやっていると感じられなかったと思う」
なでしこジャパンの一員でオランダ女子1部フェイエノールトに所属のDF古賀塔子がオンラインで取材対応を実施。高校卒業のタイミングで直接オランダへと渡ったことで「日本でやっていると感じられなかったと思う」ことがあると話した。
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古賀は日本サッカー協会(JFA)の設立したJFAアカデミーで中学、高校年代を過ごして18歳でオランダへと渡った。その際には「進路を選ぶときにWEリーグか海外で悩むなかで、アカデミーの監督に海外に行った方が成長すると思うと言ってもらったし、自分もそう思った」という決断があったと話す。
そして、実際にオランダでプレーして感じることは「フィジカル的に、自分より大きな選手はあまりいなくて有利だったけど、オランダでは自分より高くて速い選手がたくさんいる」ということ。国内では体格を生かしたプレーで違いを作っていたが、「しっかり予測して守備をしないと失点につながる」ことはプレーの幅を広げた。
また、近い距離でのパスワークを重視する日本の環境から「ビルドアップでも1つ持ち出してボランチのような役割をしてつなげてほしいと言われている」として、「日本だったら1人がボールを持っていると色々なところで周りがサポートしてパスの出しどころも選択肢を作ってくれるけど、こっちはそういう意識が低くて自分がのぞいて出せるアクションをしないと受けてくれない感じですね」と、個人が何をできるかを重視される環境で、違った部分の成長がある。トータルして「日本でやっていると感じられなかったと思う」という言葉になった。
昨年夏のパリ五輪にも出場した19歳の古賀は、今年2月のシービリーブズ・カップでは第3戦のアメリカ戦で決勝ゴールを奪いタイトルに導いた。ニルス・ニールセン監督の体制になり、「ボールを保持するスタイルに変わったなかで、自分たちがビルドアップして崩せるシーンもいくつかある。もっと後ろからドリブルするとか、コンビネーションなど改善できる部分がある。アメリカという強豪に対してもビビらずに後ろからつなぐプレーができたのは自分たちにプラスになると思う」と話す。
まだまだ相手がブロックを作ってきたときの攻撃には課題も残るが、総じて前向きな印象を話す。JFAアカデミーの同期で、ドイツ女子ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンでプレーするMF谷川萌々子について「中学1年生からずっと一緒にやっていた。自主練習も2人でやっていた仲なので、萌々子がいたから自分もここまで来られた。切磋琢磨してできたと思う」と話し、次世代のなでしこジャパンで中軸になっていくことが期待されるコンビだ。
代表ではサイドバックでもプレーすることがあり、チームではボランチに入ることもある。「どのポジションでも自分の良さを出したい」としたが、目指すは世界一のセンターバックになること。「守備で絶対負けないのはセンターバックとして第一。そのなかから攻撃の起点になって得点も狙えるのが良い選手だと思う」と話す古賀が、より欧州を舞台に飛躍していくことが期待される。そのとき、なでしこジャパンが再び世界一を目指すうえで欠かせない存在になるはずだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)