J1→欧州行きで2桁の25歳は「他のFWにはない」 日本代表OBが注目した特徴「足元の技術もある」

【専門家の目|ハーフナー・マイク】今年3月には約2年ぶりに日本代表に復帰を果たした
ヴァンフォーレ甲府などで活躍し、オランダ1部リーグで通算51得点を挙げた元日本代表FWハーフナー・マイク氏が、ドイツ1部ホルシュタイン・キールに所属する日本代表FW町野修斗の“個人残留”に期待した。チームは2部降格が決まったが、自身はブンデスリーガ1年目で11得点をマーク。他のFWにはないある“特長”に注目した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎)
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キールは現地時間5月11日に行われたリーグ第33節でフライブルクに1-2で敗れ、1年での2部降格が決まった。その中でも町野は、ブンデスリーガ1年目ながらリーグ戦31試合に出場し、11得点3アシストを記録。日本人のブンデスで2桁得点は、高原直泰氏(2006-2007)、香川真司(11-12)、岡崎慎司氏(13-14、14-15)に次ぐ4人目となった。
「5大リーグで2桁得点は(日本人ストライカーの中で)一番乗りですし、彼だけ個人残留あるんじゃないですか。おそらく他のクラブに引き抜かれるでしょうし、しっかり結果を残しましたね」
185センチの体躯にスピード、そして足元の技術と、総合的に高い能力を備えている町野。その中でも、ハーフナー氏が注目したのは、他のストライカーにはないある“特長”だ。
「エグいゴール多いですよね。それこそフリーキック(FK)も決めていますし、やっぱりエリア外から決められるのは大きいですよね。なかなか他のFWにはない特長かなと思います。その上で彼は高さもあるし、足元の技術もある。ゴールパターンが多彩というのはいいですよね」
ハーフナー氏もオランダ・エールディビジでは3度の2桁得点を記録。ADOデン・ハーグに所属していた2016-2017シーズンには16得点をマークし、得点ランク7位に入った。
「2桁得点はもちろん悪い数字ではないですけど、個人的にはやっぱりトップじゃないと意味がないかなと思ってましたね。もちろん、チームが勝って優勝するならいいですけど、やっぱりFWは1点でも多く取りたい。だから町野選手も2桁超えたからといって、満足していないと思いますよ。韓国では、ソン・フンミン(トッテナム)選手がプレミアリーグで得点王になっているわけですから」
町野は好調さが買われ、今年3月には約2年ぶりに日本代表に復帰を果たした。優勝を目標に掲げる来年の北中米ワールドカップ(W杯)でも期待がかかる。
「W杯優勝するチームには、やっぱりすごいストライカーがいる。町野選手はまだ25歳ですし、これでさらに上のクラブに行ける可能性がある。W杯までまだ1年ありますし、今後の動向が楽しみですね」

ハーフナー・マイク
ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。