指揮官が避けたかった「デュエルや個人の戦い」 6連勝阻止で掴んだ3連勝「選手を祝福したい」

G大阪はアウェーで浦和に勝利して3連勝
ガンバ大阪は5月6日のJ1第15節で浦和レッズとアウェーで対戦し、1-0の勝利を収めた。浦和の連勝を5でストップし、自分たちは3連勝を飾った一戦について、ダニエル・ポヤトス監督は「デュエルや個人の戦いを避けたかった」と、浦和相手に戦略を練ったことを明かした。
G大阪は浦和がボールを持った時に、それほどプレスに出ていく姿勢は見せず、かといって撤退するわけでもないミドルブロックに構える形を取った。浦和はプレーメーカーのスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンが欠場したこともあり、なかなか後方から良い形でボールが前線に入らなかった。G大阪も浦和に対して似たような問題を抱えた面はあったが、前半にゴールを決めて先行逃げ切りの勝ちパターンを持つ相手に拮抗した試合を展開していった。
そして、後半8分にFW食野亮太郎のクロスをファーサイドでFW山下諒也がヘディングで決めた。4バックの泣き所とも言える位置に入ってくるボールで先制点を奪うと、中盤に入ってきたところからタイトに寄せていくブロックで浦和の攻撃を抑え込んで逃げ切りに成功した。
ポヤトス監督は試合後の記者会見で、「(浦和の)横浜F・マリノス戦をスカウティングして、彼らがやられたところがそこだったので、それを参考にした」と話す。4月20日のゲームは浦和が3-1で勝利していたが、「球際というか、デュエルや個人の戦いを避けたかった。浦和の4人の前線は強力な選手だと分かっていたので、ハイプレスをして間延びしてしまうと個人のデュエルが入ってしまう。それを避けたかった」と、この試合に向けた戦略を明かした。
そして、得点を生み出した両サイドハーフは前節とスタメンを入れ替えてピッチに送り込んでいた。その理由を「一番のアイディアはフレッシュさ。特に自分たちの攻撃面でそれを求めた。浦和で強力な金子(拓郎)や(マテウス・)サヴィオの両サイドで、自分たちがボールを持って後ろ向きに守備をさせたかった。そのために外に張ったり、内に入ったりするプレーが必要だった。そうすることで自分たちが失った時にコントロールできると考えた」と話した。こうした戦術的な采配は、ゲームの勝利につながった部分が大きかった。
浦和のマチェイ・スコルジャ監督は「ガンバがミドルブロックを組んできたことで背後のスペースを使うことができなかった。色々な形で攻撃を仕掛けたもののの、ディフェンスラインを突破してチャンスを作ることができなかった。後半に入ってからビルドアップの形を変え、相手のボランチを引き出そうとしたものの、それでもミドルブロックを崩さず待ち構えられてしまった」とこの試合を振り返った。
浦和の5連勝は、比較的ボールを奪うために最終ラインまで積極的なプレスを掛けてくる相手が多かった。その相手をかわせば自然と前進してチャンスを作っていける状況だった試合に対し、このゲームはゼロから自分たちがアクションを起こすことが求められ、課題とグスタフソンの不在がクローズアップされることになった。
ポヤトス監督は「最後は良い戦いができたと思う。選手におめでとうという言葉を届けたいし、この10日間ほどの長い連戦の疲労感やケガ人がある中でしっかり戦ってくれた選手を祝福したい」と話していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)