ピッチ上の選手も「ビックリ」 初連勝へ“奇策”奏功…ベンチ19人で指揮官の願いも「編成を考えて」

C大阪はアウェーで神戸に勝利して今季初連勝
セレッソ大阪は5月6日、J1リーグ第15節ヴィッセル神戸戦で3-1の勝利を収め、今季初の連勝をマークした。1-1で後半へ突入すると、途中出場のMF柴山昌也が決勝弾。終了間際にはピッチ内の選手も驚いた“6バック”で守り切りダメ押し点まで生んだ。負傷者続出でベンチメンバーも埋められないほどだが、アーサー・パパス監督の“奇策”が実った。一方で、指揮官は野戦病院化している状況でクラブへのお願いも忘れなかった。
全員で掴み取った勝ち点3だ。前半の終了間際に失点。嫌な流れを断ち切ったのは今季5試合目の出場となったFW上門知樹だった。前半の残り時間もほとんどないなかで、失点から1分後に華麗な左足ボレーで同点。1-1で折り返した。後半も神戸に押し込まれる展開が続いたが、後半38分にGKからつないで、途中出場の柴山が仕留めた。今季初ゴールの2人が結果を残して、最後はFWラファエル・ハットンがダメを押した。大黒柱の主将MF田中駿汰を筆頭に負傷者が続出しており、この日はメンバー19人だけ。それでも、出番が少なかった選手がチームを救い、指揮官も選手を称えた。
「チャンスを掴んだ選手が結果を残した。コーチとして一番頭を抱えるのは全部の選手を出すわけにはいけないということ。僕らが力を入れているのは試合に出ない選手の底上げ。人数が少ない中でどうやりくりするか」
この日、後半43分にDF西尾隆矢が投入されてから、6バックの布陣を敷いて守り切った。シーズン序盤は終了間際の失点に苦しんでいたが、パパス監督の割り切った采配が光り追加点を許さず。6バックの指示はピッチ上の選手も「ビックリした」“奇策”だったという。総力戦で掴んだ勝ち点3に指揮官は本音も漏らした。
「難しい状況でも人数が少なくてもビックリしていないのはできる選手であるというところ。クラブに対して1月から話をしているけどチームとしても長いシーズンなので編成を考えてほしい」
厳しい台所事情でも3バックでスタートするなど工夫を凝らして連勝に繋げた。この勝利をきっかけにさらなる積み上げをしていきたいところだ。