満足度17位→3位に大躍進 G大阪が実施した4つの「改革」…最大の課題アクセス面は「中長期的に」

Jリーグ実施の満足度調査で大幅に改善
ガンバ大阪の観客動員が好調だ。昨年の平均2万6096人から今年は105パーセント増の2万7549人。5月のホーム戦チケット売り上げも順調で約3万人の動員を見込む。Jリーグが実施した2024年の観戦者満足度調査では前年の17位(4.04ポイント)から3位(4.40ポイント)へ大幅アップ。環境、グルメ、グッズ、エンターテインメントという主に4つの分野で新たな施策を導入し、平均値(4.10ポイント)を大きく超すことに成功した。特に“デッドスペース”を有効活用した「グルメ」の充実は大反響で売り上げも増加。クラブは飽くなき向上心で1位を目指すべく、中長期的には最大の課題にも改善に取り掛かるつもりだ。
17位から3位。Jリーグが実施した2024年の観戦者満足度調査で総合満足度が大幅に改善された。1クラブあたり年間4試合実施されるため、試合の勝敗や天候なども調査結果には影響するが、それでもクラブとして観客増の手応えも感じていた。顧客創造部部長の奥永憲治さんは「やっぱり(観客が増えると感じることは)ありますよ。一昨年と去年でもゴールデンウィーク後1、2か月のチケットが売れる伸び方が全然違った」という。
チームの成績もあるが、昨年は4つの分野で改善に取り組んだ。
1.環境改善
スタジアム場内のキャッシュレスを全面導入、またサイネージを刷新。反響があったのは階段の滑り止めを導入したことだ。
2.グルメ
一番、手応えを感じたのがこの分野。奥永さんは「中(スタジアム場内)は一生懸命やっているけど限界が見えていた。2万5000人超えると中はどんなに頑張っても回せなかった。待機列ができてしまう。なので(場)外をどうしようか、と」いい、“デッドスペース”となっていたバックスタンド側の店舗数を増加。場内グルメは企画やプロモーションを強化し、飲食スペースも改善を図った。今年からはバックスタンド側に「青黒横丁」がオープン。「観客の2人に1人ぐらいは使っているのが飲食。そこを改善していくことはクラブとしても大事」と売り上げ、満足度アップに貢献した。
グッズ&イベントで大活躍だった新マスコット「モフレム」
3.グッズ
場外の大型グッズ販売店舗の導入だけでなく、“大活躍”だったのがマスコットのモフレム。モフレムショップを強化し、幅広い種類で展開されるグッズは「大人気」だという。モフレムは23年に比べて売り上げも倍増。売れ行きは好調だ。
4.エンターテインメント
イベント強化だけでなく、こちらでもモフレムが登場。行政とコラボするなど活躍の幅を広げている。
ただ課題にあがったのはアクセス面。最寄り駅直結の商業施設とスタジアムをつなぐ“橋”なども「中長期的な取り組みとしては一番の改善点だと思っている」と、クラブだけで決定できない事項ながら改革を視野に入れている。
今シーズンの目標は平均2万8000人超え。平日ナイター開催などもあるため、奥永さんは「やはり毎試合3万人というところを達成していきたい」と見据えた。来年で開業10年を迎えるパナスタ。Jリーグ屈指の臨場感を味わえるスタジアムはまだまだ進化を遂げている。