16歳逸材の「夢が叶った瞬間」 勝ち取ったJ1の舞台…鬼木監督も認めた実力「納得させるだけの十分なもの」

J1デビューとなった吉田湊海【写真:Noriko NAGANO】
J1デビューとなった吉田湊海【写真:Noriko NAGANO】

16歳FW吉田湊海が後半アディショナルタイムに途中出場

 鹿島アントラーズは4月29日、J1第13節で横浜FCと敵地で対戦し、3−0で勝利を収めた。後半アディショナルにはU-17日本代表FW吉田湊海(みなと)が途中出場し、16歳9か月14日でクラブの史上最年少出場記録を更新した。

 鹿島は後半立ち上がりにFWチャヴリッチが自ら獲得したPKを決めて先制。同22分にはチャヴリッチのお膳立てからFW鈴木優磨が追加点を奪うと、その後オウンゴールでさらにリードを広げた。3−0の快勝でリーグ戦3連勝。勝点を「25」に伸ばして首位に浮上した。

 大量リードで迎えた後半アディショナルタイム4分には、鈴木に代わって吉田がピッチへ。プレー時間はわずかだったが、16歳の新星はクラブ最年少出場の記録でもってJ1デビューを飾った。吉田は大きな一歩を踏み出した試合について、報道陣の前で「自分の夢が叶った瞬間でした」と語った。「まずはアントラーズで主役になること。そしてA代表になって、W杯優勝が自分の中の最大の目標」と将来の目標も口にした。

 チームを率いる鬼木達監督は吉田をアウェー遠征に帯同させ、起用した決め手となったのは、前日練習でのパフォーマンスだったと明かしている。

「前線で少し人が足りないというところもありました。Aチームでは数回しかプレーしていなかったので、そこで結果を残していなかったら連れてきていないと思います。ただ、しっかりと数回のプレーで点を決めたこと。それは周りを納得させるだけの十分なものでした。そういう意味で、競争の中で彼は勝ち取ったというふうに思っています」

 吉田は紅白戦で1ゴールを決め、そのプレーで指揮官の信頼を勝ち取っていたようだ。この日、吉田との交代でピッチを後にした鈴木も「見ても分かる通り、これからはユースが(チームを)支えていくと思います。(徳田)誉だったり、湊海だったり、非常にいい選手が出てきている。いつか彼らに引導渡される日が来るんだろうなと思っています。まだ負けるつもりはないですけどね」と吉田ら若手の台頭を歓迎した。

 鹿島は8得点でJ1の得点ランキングトップを走るFWレオ・セアラら一部の主力選手を負傷で欠いている状況だが、勢いのある若手の台頭がチームの競争にいい刺激をもたらしていた。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)

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