今季のJ助っ人ベスト11「いま最も注目するべきアタッカー」 波乱の序盤戦から選出【コラム】

J1だけでなく、J2でも活躍している助っ人を選出
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Jリーグは序盤戦が終わり、シーズンの折り返しに向けて激しい戦いが続くが、ここまでの活躍度から”助っ人ベストイレブン”を選出した。過去の実績やポテンシャルではなく、あくまで今シーズンのパフォーマンスや勝利の貢献度を基準に評価している。
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GKはスベンド・ブローダーゼン(ファジアーノ岡山)だ。昨年のJ2ベストイレブンにも選ばれた守護神は、J1初昇格の岡山を度重なるビッグセーブやハイボールの安定感で支えいる。次点としてはホセ・スアレス(ジェフ千葉)をあげたい。昨年まで徳島ヴォルティスで、ポゼッションベースのチームを後ろから統率した能力を千葉でも発揮しており、幅広い守備はもちろん、ビルドアップでの効果も見逃せない。
ディフェンスラインはマリウス・ホイブラーテン(浦和レッズ)、マテウス・トゥーレル(ヴィッセル神戸)、ガブリエウ(大宮アルディージャ)の3人を選んだ。ホイブラーテンに関しては個としての存在感だけでなく、ディフェンスリーダー的な役割もしっかりこなして、開幕直前に合流した新外国人のダニーロ・ボザとの連携も高めている。防波堤として厳しい守備局面も少なくないが、ここまでカードが一枚もないというクリーンで落ち着いた振る舞いも素晴らしい。
マテウス・トゥーレルはスピード、パワー、テクニックの三拍子を揃えたセンターバックで、神戸の2連覇に大きく貢献したことは改めて言うまでもないが、チームとして苦しんだ序盤戦でもパフォーマンスが安定していた。ただ、第12節の川崎戦でハーフタイムに交代しており、4月20日の町田戦は欠場。代わりにセンターバックを務めた本多勇喜の素晴らしい活躍で1−0の勝利を飾ったが、守備の要の早期復帰を願うばかりだ。
もう一人は3バックの右ストッパーとして、大宮の躍進をパワフルなデュエルで支えるガブリエウを選んだ。次点は浦和のダニーロ・ボザとダニーロ(FC今治)をあげるが、J3で圧倒的な存在感を見せたマテイ・ヨニッチ(栃木シティ)も見逃せない。ただ、4月6日の福島戦で負傷してしまい、その後の2試合は欠場しているのは悔やまれるところだ。また、ここから本格的にブレイクしそうな選手として23歳のカイケ(徳島ヴォルティス)をあげておく。
ボランチは活躍ぶりが目立つ外国人選手も多く、かなり悩んだが、総合的なパフォーマンスを評価してマテウス・ブエノ(清水エスパルス)とネタ・ラヴィ(ガンバ大阪)のセットに。マテウス・ブエノは攻守両面の奮闘が目立っており、広範囲の稼働力と言う基準では日本人も含めてもナンバーワンだろう。ネタ・ラヴィは守備のデュエルの強さと攻撃での効果的な関わりで異彩を放っている。能力的にはサミュエル・グスタフソン(浦和レッズ)も外しがたいが、スタメンに定着してから3連勝ということで、ここからさらに期待していきたい。
いまJリーグで最も注目するべきアタッカー
両翼は攻撃的な二枚になるが、ジョルディ・クルークス(ジュビロ磐田)とマテウス・サヴィオ(浦和レッズ)を選んだ。J2でここまで5アシストのクルークスは”悪魔の左足”に加えて、縦に仕掛けての右足クロスでも多くのチャンスを演出しており、後半44分で交代した開幕戦をのぞいてリーグ戦にフル出場。それでいて終盤も守備のハードワークを続けるタフネスも評価した。今回は次点とするが、やはりJ1で4アシストのルーカス・フェルナンデス(セレッソ大阪)の活躍も見逃せない。
マテウス・サヴィオは個の輝きこそシーズン開幕から目立っていたが、新天地に完全フィットしたのはここ数試合だ。守備のプレスバックを求めるマチェイ・スコルジャ監督のもとでも、やるべきタスクをこなしながら、攻撃に違いを生み出している。セットプレーのキッカーとしても重要な役割を果たしている”浦和のクラッキ”だ。ここから楽しみな選手がチアゴ・アンドラーデ(セレッソ大阪)だ。自在性のある仕掛けと正確なクロスはもちろん、右側からのチャンスにゴール前で絡む動きも非凡なものを見せており、右のルーカス、同じく新加入のラファエル・ハットンと桜のブラジル人トリオを形成している。
前線は2トップ1シャドーという変則の形だが、J1でここまで8得点のラファエル・エリアス(京都サンガ)とレオ・セアラ(鹿島アントラーズ)に加えてJ2で規格外の猛威を振るっているマルクス・ヴィニシウス(FC今治)の3人を選んだ。ラファエル・エリアスに関しては精力的な動きを見せながら、最後はボックス内で決定力を見せており、スーパーな存在感だ。レオ・セアラに関しては鹿島で1年目ということを忘れてしまうぐらい、鈴木優磨とのコンビも素晴らしいが、前節の岡山戦の欠場で心配される怪我の回復がどうなるか。
マルクス・ヴィニシウスは今Jリーグで最も注目するべき外国人アタッカーの一人で、ここまで7得点という決定力もさることながら、個の打開力はさすが2023、2024シーズンのJ3ベストイレブンだ。相棒のウェズレイ・タンキもその名前の通り重戦車のような推進力で相手ディフェンスの脅威になっており、2トップの破壊力という意味ではJ1顔負けだ。次点は大ブレイクした昨シーズンから引き続き、爆発的なフィニッシュが目を引くマテウス ジェズス(V・ファーレン長崎)も6得点と気を吐いており、昇格候補の大本命だった長崎の巻き返しを牽引していけるか注目だ。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。