浦和GK西川が語る“PK駆け引き”の舞台裏 オスカルの一撃をストップ「自分から右に動いた」

「1セーブで流れを変える」を有言実行

 この時のオスカルは、同様にゆっくりとした助走からキックに行ったが、最後まで動かない西川に蹴りづらさを感じたのか、ゴール上に大きく外した。キックミスと言えばそれまでだが、1本目を止めてプレッシャーをかけ、自分から動いて相手に余裕を与えなかったからこそ、ミスを誘発したと捉えてもいいだろう。

 この日の西川は、それ以外にもファインセーブを連発した。ミドルシュートを弾き返した場面もあれば、相手と1対1になったものを鋭い飛び出しで対応。西川なくして、この日の勝利はあり得なかった。

「自分が理想としている、1セーブで流れを変えてチームを救えるGK、ここぞという時に良いプレーができたのは嬉しいです。いつになくピンチがある試合でしたけど、しっかり止めることでチームを助けられたと思いますね。これまで失点が多いと言われてきたので、4月は無失点を続けたい」

 試合前から風雨が強まり、GKにとっては厳しいコンディションだったが、有言実行のプレーが際立った。昨季の悔しさをぶつけるようなPKセーブを見せた“笑顔の守護神”は、充実感溢れる表情でスタジアムを後にした。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro KUTSUWADA

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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