フランスの名手がビデオ判定に疑問符 興奮に水を差す諸刃の剣…「ゴール後の感情を殺しかねない」 

フランス対スペイン戦でビデオ判定導入、効果を発揮したが…

 フランス代表は現地時間28日、パリのスタッド・ドゥ・フランスでスペイン代表と国際親善試合を行い、0-2で敗れた。この試合ではビデオ判定が導入され、フランスのゴールが取り消される代わりに、オフサイドの判定だったスペインのゴールが認められるという、スペイン側に有利な結末となったが、敗れたフランスの名手はテクノロジー導入に疑問符をつけている。フランス地元紙「レキップ」が報じた。

 0-0で迎えた後半3分、フランス代表FWアントワーヌ・グリーズマン(アトレチコ・マドリード)のヘディングで先制点を決めたかに思われた。スタンドは歓喜に沸き、選手も笑顔を浮かべたが、ドイツ人のフェリックス・ツヴァイヤー主審はビデオアシスタントレフェリー(VAR)により、クロスを送ったDFレイヴァン・クルザワ(パリ・サンジェルマン)がオフサイドポジションにいたことを確認。最終的にゴールの判定は覆った。

 スペインの0-1リードで迎えた同32分には、再びVARが効果を発揮した。左サイドを駆け上がったDFジョルディ・アルバ(バルセロナ)のクロスをゴール前に走り込んだFWジェラール・デウロフェウ(ミラン)が合わせて追加点。ところがアシスタントレフェリーがフラッグを上げてオフサイドを主張。主審も一度はオフサイドとしたが、ビデオ判定によりオンサイドであることが分かりゴールが認められた。

 VARの割りを食う形となったフランス代表GKウーゴ・ロリス(トットナム)は「我々の競技の進歩だよね。判定がフェアになるから、良いことだと思う。でも、それはゴール後の感情を殺しかねないね。それはみんな分かったと思う。ファン、ベンチ、ピッチ上の選手が全員ゴールだと信じていた。1分後に決定が覆ってしまうのだから」と語った。

 

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