タイのスターが驚いた“日本のサッカー” 来日で実感した違い…衝撃を受けた2選手は?【インタビュー】
山口に期限付き移籍したサーラットが挙げた「南野選手と堂安選手の技術」
タイ代表で副キャプテンを務めた経験を持つ実力者が、J2の舞台で奮闘している。今年7月1日、レノファ山口FCはBGパトゥム・ユナイテッドFCからMFサーラット・ユーイェンを期限付き移籍で獲得。来日して約2か月が経過したなか、タイと日本のサッカーの違いについて明かした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全2回の2回目)
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近年はサッカー人気の高まりとともに、東南アジアの中でも実力をつけてきたタイ代表。昨年11月に石井正忠監督が就任し、悲願のワールドカップ(W杯)出場へ、北中米W杯アジア2次予選ではアウェーで韓国から勝ち点1を奪うなど奮闘したが、中国と同じ勝ち点、得失点、総得点ながらも直接対決の結果で涙をのんだ。
北海道コンサドーレ札幌などでも活躍したMFチャナティップ・ソングラシン(BGパトゥム)らとともに、チームの中軸を担ったサーラット。2030年W杯を目指すとなると38歳になるが、「メンバーに選ばれれば貢献したい。いつでも自分がサポートしていきたいと思っています」と母国への思いを背負っている。
今年1月1日に国立競技場で行われた日本代表との親善試合でもメンバーに選出され、後半開始からピッチに立った。「全員のレベルが高いなと思ったんですけど、特に南野拓実選手と堂安律選手の技術が高いなと思いました」。堂安と南野が投入された後半に次々と5点を奪われ、0-5で大敗を喫して衝撃を受けた。
それからちょうど半年、再び降り立った日本の地。「タイと生活の面では特に変わらないと思います。毎日のルーティンもあるのですが、家族とも相談しながらサポートしてもらっているので問題ないです」と頼もしいが、サッカーの面で違いを感じているという。真っ先に口にしたのが「インテンシティー」だ。
「インテンシティー」とは、Jリーグ公式サイトによると、「強烈」「強さ」「集中力」などを意味する言葉で、サッカーではプレーの強さや激しさを指す意味で用いられているとある。サーラットは「自分は今、守備をもっと改善しないといけない。一番大事なのは守備の部分」と、適応へ奮闘している最中だ。
かつて日本代表を率いたヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、日本サッカーに足りないものとして、「デュエル」の重要性を訴えた。それから約10年の月日が経ち、今はアジアのほかの国々から追いかけられる立場になってきたということだろうか。日本とタイ、東南アジアのサッカーの今後からも目が離せない。
[プロフィール]
サーラット・ユーイェン/1992年5月30日生まれ。タイ出身。ムアントンU―プーケット(期限付き)―ナコーンラーチャシーマー(期限付き)―BGパトゥム。タイ代表83試合6得点。今年1月1日に国立競技場で行われた日本代表戦にも出場した。ニックネームは「タン」。来日して1番好きな食べ物は「焼肉」。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)