広島の「完成度はNo.1」 新助っ人で勢い加速…加入後に“即フィット”の訳とは?【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】アルスラン、パシエンシアの加入で前線強化に成功
サンフレッチェ広島は、シーズン途中に得点源のFW大橋祐紀(ブラックバーン)が移籍したなかで、FC町田ゼルビアやヴィッセル神戸と激しい首位争いを演じている。新助っ人の活躍など総合力の高さは目を引き、日本代表OB栗原勇蔵氏も「チームとしての完成度はリーグNo.1」と評価している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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広島はドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督が指揮を執って3年目を迎えた。GK大迫敬介、DF塩谷司、DF佐々木翔、DF荒木隼人といった日本代表経験者を中心に安定して上位を狙える位置につけてきたなかで、7月26日にはJ1リーグ戦22試合で11得点を挙げていたFW大橋祐紀(ブラックバーン)がチームを離脱した。
それでも、広島は7月14日のリーグ第23節アビスパ福岡戦(1-0)から7連勝を含む9戦負けなし。7月に加入して7戦7発の大活躍を見せるドイツ人MFトルガイ・アルスラン、同じく新加入で9月14日の第30節鹿島アントラーズ戦(2-2)でデビュー戦ゴールを挙げた元ポルトガル代表FWゴンサロ・パシエンシア、8月に古巣復帰を果たしたMF川辺駿と新戦力が存在感を発揮している。
直近では、9月22日に行われたJ1第31節で2022年リーグ王者の横浜F・マリノスを6-2で下しており、日本代表OB栗原氏は「マリノス戦を見ていたら、広島は普通に強い。アルスラン、パシエンシアの両外国籍選手がかなりハイレベルでなかなか止められないと思います」と語る。
「広島はもともと、うしろ(守備)が強い。前(線)で得点を取れる選手が出てきたので、(勢いは)止まらないと思います。アルスランもパシエンシアも、動き出しがすごくいいし、(得点)嗅覚を持っている。昔はリーグによってサッカー的に違い、スピードに慣れることができず、走る日本で活躍できない選手もいましたけど、今は世界のどのリーグに行ってもインテンシティーの高いサッカーをやっているので、日本に来ても活躍しやすくなってきているし、フィットしやすいはずです。広島はスキッベ監督の下、チームとしての完成度はリーグNo.1。優勝してもおかしくないと思います」
新スタジアムも完成し、勢いに乗る広島が2015年以来のJ1タイトルを手にできるか、注目が集まる。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。