130億円の移籍破談はなぜ? 元セリエA得点王が構想外に「スター選手は過去の人に」
オシムヘンは去就でクラブとの関係が破綻、出場登録メンバーからも外れる
イタリア1部ナポリのナイジェリア代表FWビクター・オシムヘンは今夏の去就が注目を集めていたが、獲得に乗り出していたイングランド1部チェルシーへの移籍が破談に終わり、クラブとの関係が崩壊。セリエAの出場登録メンバーからも外れるなど物議を呼んでいる。イタリアサッカー情報サイト「フットボール・イタリア」は「サッカー界の記憶は非常に短い。今日のスターは来年の夏には過去の人になる」と2シーズン前のセリエA得点王の転落劇を伝えている。
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オシムヘンは2020年にナポリに移籍。加入から昨季まで4シーズン連続二桁得点を記録するなどエースとして活躍してきた。2022-23シーズンには26得点でセリエA得点王に輝き、クラブに33年ぶりのスクデット(リーグ優勝)をもたらした。
セリエA最高の点取り屋となったオシムヘンだが、今夏の移籍市場ではサウジアラビアのアル・アハリと移籍金8000万ユーロ(約130億円)、年俸4000万ユーロ(約65億円)の4年契約で移籍に個人合意したと伝えられていた。
チェルシーもオシムヘンの獲得レースに参戦したが、提示された年俸はオシムヘンがナポリで受け取っている1000万ユーロ(約16億円)の半額以下となる400万ユーロ(約6億5000万円)+成果ボーナス400万ユーロという条件だった。ボーナスの内訳は200万ユーロ(約3億円)がUEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得、残りの200万ユーロが試合出場や得点数に応じて支払われるものだったとされるが、オシムヘンは減俸を拒否したため、イングランド行きは破談となった。
これによってオシムヘンの行き先はアル・アハリで決まったかに思われたが、ナポリが当初の8000万ユーロの移籍金に500万ユーロ(約8億円)の上乗せを要求したため、アル・アハリとの交渉も決裂に。このことでオシムヘンとナポリの関係は完全に破綻したといわれている。
その後、オシムヘンはセリエAの出場登録メンバーからも外れ、背番号9も剥奪された。FWロメル・ルカクの加入もあり、ナポリでは完全に居場所を失った状態となってしまった。サウジアラビアなど移籍市場がまだオープンしている国もあるが、このままでは少なくともマーケットが再び開かれる来年1月までは試合には出場できない可能性が高く、ナポリで“氷漬け”の日々が危惧されている。
2年前のセリエA得点王が一転して蚊帳の外へ。「フットボール・イタリア」はオシムヘンの立場がこの夏で一変してしまったことについて「サッカーの世界で記憶は非常に短いものだ。今日のスター選手は来年の夏には過去の人になってしまい、評価はTikTokのファンショントレンドのように速く動く」と表現していた。まだ25歳と伸び盛りのストライカーが大きな困難に直面している。
(FOOTBALL ZONE編集部)