川島永嗣が残した“感動の置き手紙” ブッフォン輩出の名伯楽が明かす…並外れた人間性【現地発】
現パルマGKコーチのエルメス・フルゴーニ氏が川島のキャラクターを語る
ジュビロ磐田の元日本代表GK川島永嗣は、ワールドカップ(W杯)に4大会連続で出場するなど、長年日本サッカー界を代表する守護神として君臨した。海外と最も差が大きいと言われるGKのポジションで活躍した41歳の大ベテランを恩師が称賛している。
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川島は2001年に大宮アルディージャでプロキャリアをスタートさせ、名古屋グランパス、川崎フロンターレを経て、2010年夏に海外へ。ベルギーのリールセとスタンダール・リエージュ、スコットランドのダンディー・ユナイテッド、フランスのメスとストラスブールでプレーした。
2022-23シーズン限りでストラスブールを退団後、無所属の時期を経て、今年からJリーグへ復帰。磐田の正守護神として27試合中21試合でゴールマウスを守っている。
歴代最多タイとなるW杯出場4回を誇る川島。元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンを育てたことで有名な名GKコーチ(現パルマGKコーチ)で、川島も師事したエルメス・フルゴーニ氏は、「私たちは信じられない関係だよ」と語る。
「COVID(新型コロナウイルス)が流行する前にも、私の家に遊びに来てくれた。ここには権田(修一/清水エスパルス)も来た。川島は(私の教え子の中でも)特別信じられないほどの思い出を心に残してくれた。ある日、私に手紙を置いていったんだ。『これは僕が去ってから読んでね』と言って。とても感謝してくれていた。その心に感動した。W杯に4回出場した。川島とは、私も妻もイタリアの家族のようになったんだ」
フルゴーニ氏は、川島の人間性を高く評価しているという。
「川島は強く、いい選手になった。強い個性を培った。パルマに来れば、家に来てくれる。とても礼儀正しく、ものすごく向上心がある。学びたい、(選手として)伸びたいという意欲が並外れている。川島も権田もロッカールームをいつも綺麗にしたがって、『しなくてもいい』と言っても、綺麗にしていく。そういう選手は少ないんだ」
世界的名手を育てたフルゴーニ氏の心の中にも、川島の存在は今もなおしっかりと刻まれている。
(倉石千種 / Chigusa Kuraishi)
倉石千種
くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。