警察も介入の東京ダービー 警備員も倍増で異様な雰囲気…「帰れ!」コールも

J1では16年ぶりとなる東京ダービー【写真:徳原隆元】
J1では16年ぶりとなる東京ダービー【写真:徳原隆元】

東京VのホームでFC東京とのダービーマッチ

 チーム名に「東京」を背負う2クラブの一戦が、16年ぶりにJ1の舞台で実現する。4月13日に行われるJ1リーグ第8節の東京ヴェルディ対FC東京の一戦を控える味の素スタジアムは、普段とは異なる雰囲気になっている。

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 この試合を前にアウェーのFC東京は、調布警察署と連携して不法・違法行為防止のために会場内外をカメラで撮影することを発表した。また、通常の2、3人ではなく、倍の7、8人の警官がスタジアムで警備にあたり、何かが起こった時にすぐに駆け付けるようにするという。7、8人というと大した数に聞こえないかもしれない。だが、スタジアムを1周すると、少し歩けばすぐに警官の姿が見えるのは、普段の試合とはやはり違う光景だった。

 また、警官だけでなく、両チームのクラブ関係者も会場周辺の巡回にあたっており、熱のこもった一戦が正しくない方向に進むのを全力で阻止する心構えだ。

 このダービーで、より強く相手を意識しているのは、先に「東京」を名乗っていたFC東京だろう。FC東京が1999年のJリーグ入会を機にFC東京に名称を変えたのに対し、東京Vは2001年に川崎市から東京都に移転している。

 この日の味の素スタジアムでは、メインスタンドから右側のアウェースタンドに座ることになったFC東京のサポーターの子供が「今日はこっち側なの?」と不思議そうに父に聞いている様子も見られた。

 東京ヴェルディの場内アナウンスが「これよりGKのアップを開始します」とアナウンスすると、FC東京のゴール裏からは大きなブーイングが飛び、いつも以上に力強い応援とともに時折、「川崎帰れ!」「緑が大っ嫌い!東京!」などのダービー特有のチャントも響いている。

 もちろんサッカーの試合として楽しみにしていた気持ちもあるだろう。FC東京は試合ごとにマッチデーグッズを販売しているが、この日のダービーの記念グッズは会場からわずか50分で完売。売店にいたスタッフによると「異例の早さ」での完売だという。

 昨年は天皇杯で両チームの激突が実現しているが、この時もどちらも1-1で譲らずにPK戦にもつれ込むと、PK戦でもサドンデスに突入して最終的にFC東京が9-8で勝利している。16年ぶりにJ1で実現する東京ダービーで、どのような歴史が紡がれていくだろうか。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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