スペインサッカー界は「6億円を払いたくない」 ソシエダ疑惑の“ノーゴール”で現地指摘
ソシエダはPK戦の末に4強で敗退
スペイン1部レアル・ソシエダは現地時間2月27日、スペイン最古のカップ戦である国王杯(コパ・デル・レイ)準決勝セカンドレグでマジョルカと対戦し、PK戦の末敗退が決定した。日本代表MF久保建英は先発して104分間ピッチに立ち、同点弾の起点になるも古巣相手にあと1歩及ばなかった。そのなかで、延長前半5分に起こったソシエダの“ゴール疑惑”がスペインで波紋を広げている。スペイン紙「ムンド・デポルティーボ」はゴールラインテクノロジーの導入について「スペインサッカー界は科学的に証明する技術にかかる400万ドル(6億円)を払いたくない」と指摘している。
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ファーストレグは0-0だったため、勝利すれば決勝進出できるという一戦。後半5分、先制したのはマジョルカだった。反撃を図るソシエダは負傷から復帰したFWミケル・オヤルサバルが後半18分からピッチへ。すると、同26分に久保からMFブライス・メンデスがつなぎ、最後はオヤルサバルが決めて同点に追い付いた。
1-1のまま試合は延長戦へ突入。死闘を演じるなかで、久保は延長前半14分に交代となった。このまま延長戦も終了して決着はPK戦。だが、ソシエダは1人目のキッカー・オヤルサバルが失敗に終わり、4-5で敗れた。
決勝進出ならず、タイトル獲得の夢がついえたソシエダだが、延長前半5分に“ゴール疑惑”があった。久保のクロスからファーサイドのMFミケル・メリノが頭で合わせる。これはクリアされてしまうも、こぼれ球をDFキーラン・ティアニーが強烈シュートを放って枠内へ。これが相手MFサムエル・コスタに当たって跳ね返った。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入後、ノーゴールと判断されたが、このボールがラインを割っていたかが問題となっており、分析会社「Archivo VAR」が3D技術を駆使して解析したという。同社は「完全にゴールラインを通過していることが確認される」と指摘していた。
また「ムンド・デポルティーボ」紙は「ティアニーの“ゴール”はチャンピオンズリーグではカウントされるはずだった」と見出しを打って報道。UEFA管轄のチャンピオンズリーグ(CL)ではゴールラインテクノロジーを導入しており、同紙は「すべての試合でこの方法が適用されている」と指摘。ラ・リーガや国王杯では導入されていないことについて「スペインサッカー界は科学的に証明するこの技術の導入に懸かる400万ドルを払いたくない」と非難した。
タイトル獲得を左右した可能性があるだけにこれからも波紋を呼びそうだ。