三笘薫は「中村敬斗とかなり差がある」 日本代表OBが覚えた”足りなかった”ワクワク感の注入【見解】

日本代表三笘薫【写真:Getty Images】
日本代表三笘薫【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】後半23分から投入された「三笘にしかできないプレーがあった」

 森保一監督率いる日本代表は、1月31日に行われたアジアカップの決勝トーナメント1回戦でバーレーンを3-1で下し、9大会連続でのベスト8進出を決めた。左足首の負傷でグループリーグでは出番がなかったMF三笘薫が、後半23分から今大会初出場。違いを作り出し、元日本代表DF栗原勇蔵氏はベスト8以降の戦いに期待を寄せている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本は1月24日に行われたグループリーグ第3戦インドネシア戦(3-1)からスタメン1人を変更。1トップにはFW上田綺世が入り、2列目にはMF堂安律、MF久保建英、MF旗手怜央、MF中村敬斗が並んだ。アンカーにはMF遠藤航が起用され、最終ラインはDF冨安健洋、DF板倉滉、DF毎熊晟矢、DF中山雄太、GKは鈴木彩艶という顔ぶれになった。

 試合は前半31分、日本が毎熊のミドルがポストに当たった跳ね返りを堂安が押し込んで先制。前半36分に旗手が負傷交代するアクシデントはあったが、後半4分には久保が追加点を奪った。後半19分、鈴木のオウンゴールで1点を返されたが、同27分に上田の個人技から3点目を奪い、3-1で勝利した。

 昨年12月に痛めた左足首の影響でグループリーグの3試合を欠場した三笘は、バーレーン戦で今大会初のベンチ入り。2-1と1点差に詰められた後半23分に中村に代わって左サイドに入ると、持ち前の推進力で相手に脅威を与えた。

 日本代表OB栗原氏は、「三笘じゃないとできないプレーがやっぱりあった。あの時間帯で何度か見せ場を作ったし、ここ最近、日本代表に足りなかったのは三笘のワクワク感だったのかなという感じもします」と、“三笘効果”について語る。

「三笘があれをやるから周りもついていくし、足を動かせる。明らかに相手との違いを作れる場所(ポジション)があるとチームは乗れる。中村もいい選手ですけど、フィジカルがそんなに強いわけではないし、対策されればゴリゴリ行けるわけでもない。そこに関しては三笘との差はかなりあるんじゃないかなと思います」

 ただ、3-1とリードして迎えた後半アディショナルタイム5分、FW浅野拓磨、MF南野拓実とつなぎ、中へ折り返したボールをゴール前に走り込んだ三笘がボレーシュートを試みたが、上手くバウンドに合わせられず、決定機を逃す場面があった。栗原氏は“ブランク”の影響が少なからずあることを認めつつ、イランと対戦する準々決勝以降にギアを上げる必要性を説く。

「三笘への期待感はMAXですよね。ただ、足がまだついていってないというか、途中出場の難しさもあるし、久々の試合だという問題もあるのかもしれない。試合に出てきた浅野でさえ足がもつれる場面があったわけで。バーレーン相手にペース配分して、勝てればいいと思ってやっていた部分があったかもしれないですけど、ベスト8以降でイランや韓国と対戦したら、悠長なことは言っていられない。どこかでスイッチを入れないといけないと思います」

 栗原氏は切り札・三笘の“本領発揮”に期待を寄せていた。

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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