森保Jに必要不可欠な強烈リーダーシップ 背番号10堂安律がもたらすもの【現地発】

日本代表の堂安律【写真:Getty Images】
日本代表の堂安律【写真:Getty Images】

インドネシア戦に臨む

 森保一監督率いる日本代表は1月24にアジアカップ・グループリーグ第3戦インドネシア戦で2位通過を懸けて対戦する。ベトナム戦(4-2)、イラク戦(1-2)で苦戦し、苦境に立たされた森保ジャパン。背番号10のMF堂安律は「リーダー」としてチームを鼓舞する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 歴史的な敗戦となったイラク戦後、取材エリアに一番に出てきたのは堂安だった。荷物を置いて、口を開く。悔しさ、怒り、不甲斐なさ、感情を押し殺しながらも熱を帯びた言葉を並べた。

「連勝していた中で、絶対にいつか止まる覚悟はしていた。ずっといいわけがない。悪い時にチームにリーダーがいるか。上手い選手だけじゃ勝てないのは全員が分かっている。リーダーが多ければ多いほど立て直せる。いい試練が来ていると思う。短いトーナメントに下を向いている時間はない。史上最強と言われている中で『調子に乗るな』と言われている感じもする。調子に乗らないようにやっていかないといけない。集中してやりたい」

 イラク戦から一夜明けた20日、堂安は練習場でも一番にピッチへ出てきた。DF中山雄太とともに大きな声を張り上げてトレーニングから牽引。「いつも通りやっているつもりでした」と話すが、このようにチームが苦境に立たされてきたときに引っ張ってきたのは堂安だ。

 例えば2017年のU-20ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦のイタリア戦。初戦の南アフリカ戦でもゴールを挙げていた堂安は2点ビハインドから2ゴール挙げた。グループリーグ突破が懸かっていた一戦で“カテナチオ”を崩し切って勝ち点1をゲット。日本をベスト16入りへと導いた。

 カタール・ワールドカップ(W杯)での2ゴールは記憶に新しい。ドイツ戦、スペイン戦で得点して日本にとっての「死の組」突破に導いた。

 ここぞという時にリーダーシップを取ってチームを鼓舞する能力は森保ジャパンの中でも頭抜けている。堂安は“背中で見せる”だけではなく、分かりやすく奮い立たせることができる。今の選手たちには少ないタイプ。堂安が示してくれる闘争心こそ今の森保ジャパンに必要なものだ。

「チームが悪くなったときに、僕が必要なってくるというのは、自分のメンタル的にも分かっている。自分がやってやろうと思っています。ベースのところで球際だったり、相手より走るとか、セカンドボール戦うとか、背後を狙うとか、コンパクトディフェンスで守るとか、いかれたらもう一発のファウルでも止めるとか、そういうところをやったうえで、自分たちのクオリティー見せられれば。絶対負けちゃいけない相手」

 インドネシア戦では先発のチャンスが回ってくる可能性もある。強烈な個性を持ち、リーダーとして引っ張る「堂安ならやってくれる」――そう思わせてくれる。ここからアジア杯の再スタート。今大会メンバーにアジア杯制覇の経験者はいない。まだ見ぬ頂点へ、這い上がるための第1歩だ。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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