起用は「場違い」? アジア杯窮地の日本代表、英記者がイラク戦先発11人を採点

英記者がイラク戦の先発11人を採点【写真:ロイター】
英記者がイラク戦の先発11人を採点【写真:ロイター】

各ポジションでベストからほど遠いパフォーマンスが露呈

 森保一監督の率いる日本代表は1月19日、アジアカップ・グループリーグ第2節でイラクと対戦し1-2で敗れた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が先発メンバーを採点。歴史的敗戦となった試合では全員が“5点以下”と厳しい評価を下されている。

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 日本代表・イラク戦の先発メンバー採点(10点満点)

<GK>
■鈴木彩艶 3点
 2試合で4失点。それぞれの試合で、少なくとも1点は鈴木に責任がある。森保一は彼がトップクラスのGKの成長することを確信しているが、不安が広がり始めている。

<DF>
■菅原由勢 4点
 2023年の後半に印象的な活躍を見せたが、ベトナム戦とイラク戦では何度も窮地に陥った。イラク戦の2失点では何もできず、今後の試合で相手監督から狙いをつけられる可能性は十分にあるだろう。

■板倉滉 5点
 彼のスピードと試合を読む力は森保ジャパンにとって重要。しかし、イラク戦のパフォーマンスはベストではなかった。

■谷口彰悟 4点
 イラクのアイメン・フセインが得点を決めた場面で、いずれも行方不明になっていた。元川崎フロンターレの男がハーフタイムで交代になったことに驚きはない。残念なパフォーマンス。

■伊藤洋輝 5点
 シュートを狙う場面もあったが、攻め上がってのプレーのインパクトは限定的だった。本来はセンターバックで、フルバックでの出場は場違いのようにも見えた。中山雄太を復帰させる時なのではないか?

中盤2枚の低調が試合結果に直結…伊東は後半の最善の突破口に

<MF/FW>
■遠藤航 5点
 後半アディショナルタイムのゴールで日本に希望を与えたが、イラクが中盤の争いを何度も制したなかで、ベストからは程遠い出来だった。

■守田英正 4点
 前半45分は中盤で2番目に優れた選手だったが、敗戦によって大きな反省を迫られるだろう。彼と遠藤が試合のテンポを決めることができず、日本は苦しんだ。 

■伊東純也 5点
 イラクの守備を突破する方法を見つけることができず、フラストレーションを溜め続けた。左サイドにポジションを移した後半は状況が変わり、日本にとって最善の突破口になっていたように見えた。

■久保建英 4点
 南野拓実が左サイドに周り、10番の役割を託されて創造性の片鱗を見せた。しかし、日本の中盤はイラクを相手にテンポをコントロールすることができなかった。彼が試合終了までピッチに立っていられなかったのも驚きではない

■南野拓実 4点
 ベトナム戦での活躍の後でプレーメーカーの役割から離れ、左サイドで起用された。しかし、残念ながら効果的なプレーを見せることはできなかった。彼が中央に移動してからは改善も見られたが、時すでに遅しだった。

■浅野拓磨 4点
 前半、伊東純也へのパスではなく、シュートを選択したプレーは前半に唯一あった先制点のチャンスを無駄にした。残念なパフォーマンスだった。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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