森保ジャパン、24年初陣タイ戦の「スタメン予想布陣」 「1人横綱」状態のポジションとは?【コラム】
上田綺世と浅野拓磨はタイ戦出場回避が濃厚
2023年大晦日の国立競技場で、森保一監督は24年元日に行われる国際親善試合タイ戦のスタメンについて明言した。
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「昨日の練習も多くのメディアの皆さんに足を運んでいただき、まずありがとうございます。公開したとおり、基本的には練習で見ていただいたところで、予想メンバーはだいたいのところはもうお分かりになるかなというトレーニングはしました。コンディションなどを見てもしかしたら一部変えるかもしれないですけど、でも基本的には試合に向けて昨日も、フォーメーション練習をしたところは見ていただいていると思いますので、みなさんによりよい予想はしていただけるかなと思います」
その森保監督が語った予想メンバーとフォーメーションはこうなっていた。
細谷
奥抜 伊藤涼 伊東純
佐野 田中
森下 町田 藤井 毎熊
GKについては当日まで分からないが、システムは4-2-3-1でメンバーはこのフレッシュな顔ぶれになりそうだ。この中で最も期待されるのは、1トップに入る細谷真大(柏レイソル)だろう。
というのも、今回万全の態勢で合宿に合流した生粋のFWは細谷しかいない。上田綺世(フェイエノールト)はまだピッチに出てくる時間が少ない。合宿初日はホテルで別メニュー、2日目以降はピッチには現れるものの、部分合流もしていない。浅野拓磨(ボーフム)は初日から練習場には現れて、ピッチの上で過ごしているものの、まだ本格的なトレーニングには参加していない。しかもこの2人は12月31日、国立競技場には現れず練習場で別メニューだったのだ。
森保監督も「上田綺世と浅野拓磨ですけど、明日の試合での起用は考えていません」と2人の不出場を明らかにし、「細谷真大が先発することになると思います」と細谷を起用すると明言した。
細谷は2022年7月のE-1選手権で初招集されたものの、その時は国内組で構成されたメンバー。海外組まで含めた日本代表としては23年11月、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のミャンマー戦を前に、古橋亨梧(セルティック)の怪我を受けて追加招集された。そして第2戦のシリア戦の後半37分、代表初ゴールを挙げている。
2023年のJリーグでは所属する柏レイソルが最後まで残留争いに巻き込まれ、苦戦を続けた。それでもリーグ戦全34試合に出場して14ゴールをマーク。チームの42%のゴールを挙げ、得点ランクでは5位タイに入っている。
森保監督は細谷への期待を「まずは攻撃を牽引してほしいと思いますし、何よりも得点を取ってもらえるように、貪欲にゴールに向かって、アグレッシブにプレーしてほしい」と語った。
森保監督は守備での役割も要求
さらに、森保監督は「そのうえで、彼は攻撃も守備もスイッチを入れられる選手なので、前線からの守備も我々にとって大切なことなので、守備の部分でもいいスイッチを入れてもらえるように、貢献してもらいたい」と攻撃だけではない役割も要求している。
細谷は「練習を重ねるたびに『(先発が)あるな』っていうのは感じていたので、いい準備はしてきました」とハッキリとした口調で意欲を見せた。フォーメーション練習で組んだときの手応えはどうだったか。
「基本、呼べば(パスが)入ってくるというのは感じていたので、要求の質のところだったり、動き出しの質のところだったりにこだわってやればゴールには近づけられるのかなと思います」
連係について確認はできたと考えられるだろう。実際、練習ではタイミングよく飛び込んで鋭いヘディングシュートのゴールを決めてみせたり、厳しくマークされながらのポストプレーでボールをキープしたりなど、自分の特長をしっかりと出してアピールしていた。
「裏の飛び出しのところや相手の嫌がるところを突いていきたいなと思っていますし、ポストプレーというところも今季力入れている場所ではあるので、そこも上手く表現できたらいいかなと思っています」
本人の狙いはしっかりと周囲の選手に印象づけたはずだ。
現在、FWとしては「1人横綱」状態になっている。日本代表のFWとして課せられる責任は重い。その点を質問されると、しっかりと顔を上げ、「やっぱりFWとしての仕事をしっかり出したいですし、出る以上はしっかり日の丸を背負ってプレーをしたいと思っています」と決意を語っていた。
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。