日本代表史上初の“元日戦”は「サッカーファンへのお年玉」 OBも興奮「国立で見られるのは幸せなことだ」【見解】
【専門家の目|金田喜稔】24年1月1日、国立で日本代表とタイ代表が対戦
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング18位)は、現地時間11月21日に中立地のサウジアラビア・ジッダで行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でシリア代表(同92位)と対戦し、5-0と勝利した。23年の公式戦全10試合を戦い終え、24年1月1日にはタイ代表と史上初となるA代表元日戦が組まれている。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、「ファンにとってもすごくいいマッチメイク」と評価した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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24年1月1日、東京・国立競技場で日本代表はタイと対戦する。TOYO TIRE株式会社の特別協賛の下「TOYO TIRES CUP 2024」として開催する一戦のキックオフ時間は午後2時で、元日のA代表戦は史上初の試みだ。
「元日のA代表は歴史的に初。タイ代表は、日本が先日対戦したドイツ代表やトルコ代表のような強豪国というわけではないが、近年急成長を見せている。日本にとっては1月のアジアカップやW杯予選に向けた強化の一戦となるが、一方でサッカーファンへの『お年玉』といった感じだろう」
タイは直近のW杯アジア2次予選初戦で中国代表に1-2と惜敗し、続くシンガポール代表戦で3-1と快勝。3月にはグループ最大の難敵・韓国代表との連戦を控えている。また1月のアジアカップではキルギス代表、オマーン代表、サウジアラビア代表と同組となっており、タイにとっても日本戦は貴重な試金石だ。
一方の日本は、今月16日のミャンマー代表戦からW杯アジア2次予選で5-0と連勝を飾った。アジアカップでは、1月14日のグループリーグ第1戦でベトナム代表、同19日の第2戦でイラク代表、同24日の第3戦でインドネシア代表と対戦。決勝トーナメントを順調に勝ち上がれば、2月10日(日本時間)にアジアの覇権を懸けて決勝を戦う。
「元日に国立でサッカーができる幸せ、そしてそれを見られるのは本当に幸せなことだ。代表戦は、やはりサッカーファンにとっては楽しみなイベントだし、元日の試合で勝利すれば24年最高のスタートを切れる。アジアカップを見据えた調整や強化の面も含みつつ、国内ファンも楽しめる一戦。初詣を終えてそのままの流れで観戦できるし、ファンにとってもすごくいいマッチメイクだと思う」
23年は公式戦10試合で8勝1分1敗・36得点8失点と好成績を残した森保ジャパン。元日のタイ戦に勝利し、24年の好スタートに期待が懸かる。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。