久保建英、シリア戦中継なしに覗かせた本音 「代表戦は当たり前に地上波でやってほしい」

日本代表の久保建英【写真:徳原隆元】
日本代表の久保建英【写真:徳原隆元】

左足ミドルで先制点の活躍を見せたシリア戦後に放映権問題に言及

 日本代表MF久保建英は、現地時間11月21日に2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選第2戦、中立地サウジアラビアで行われたシリアとのアウェーゲームに臨み、先制ゴールなどの活躍を見せた。そのゲームが日本でTV放送されなかった件については「いくら日本で試合を中継したいからと言って、相手の要求を全部飲むわけにもいかないと思う」と理解を示しつつ、残念な思いがあることも話した。

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 久保は前半32分、右サイドから組み立てて完全に押し込んだあとに相手の最終ラインの前でボールを受けて中央に持ち出して左足ミドル。これがニアサイドに突き刺さって貴重な先制ゴールになった。これを「あそこで一発決められたのは相手のプランを崩すためにもよかった」と話し、後半立ち上がりにはフリーキックからのコンビプレーでDF菅原由勢のゴールもアシストした。

 勝利に導く活躍を見せたと言える久保だが、その雄姿は日本ではTV放映されなかった。田嶋幸三会長はこのシリア戦後に、「権利は相手の協会にあり、エージェントが日本の価格をどんどん吊り上げようとしたのは事実と私は聞いている。最後にいろいろな形で下げたみたいだが、日本のTV局は編成や枠、OTTにしてもサーバーをどうするかなど、簡単ではない。2日前に決まることは日本ではあり得ない。番組編成を全部変えるのかと。そういうことが分かっているエージェントなら良かったのかなと思う。放送できなかったのはすごく申し訳ない気持ちはあるが、無理してお金を吊り上げるようなことをやっていったら放映権の相場まで崩れていくのが良いと思わない」と話した。

 久保はこの件について「いろいろコメントとか見ましたけど、田嶋会長が言っているとおり、いくら日本で試合を中継したいからと言って、相手の要求を全部飲むわけにもいかないと思うので、そこは僕ら選手にどうこうコメントできる問題じゃない」と、状況に理解を示した。一方で、「やっぱりお互いの国と国の優しさを出してくれたら、日本のみんなも試合を見ることができてハッピーだったかなと個人的には思ったりもします。僕のゴールを見て欲しいというより、代表の試合は当たり前に地上波でやってほしい思いはありますね」という思いも口にした。

 今後も2次予選の間は起こり得る問題であり、今年の女子ワールドカップ(W杯)でも放映権料の高騰は問題になった。選手はこのような問題を解決する立場にないが、ファンに日本代表のサッカー、心を動かすようなプレーを見てもらいたいという気持ちは共通のものであるはずだ。

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