トップ下→ボランチ→トップ下 福岡MF前寛之、ルヴァン杯決勝で誇示した万能性…監督も「ほぼすべて分かってくれている」と信頼

決勝戦でMVPに輝いた前寛之【写真:徳原隆元】
決勝戦でMVPに輝いた前寛之【写真:徳原隆元】

福岡は浦和を破ってクラブ初タイトルを獲得

 アビスパ福岡のMF前寛之は、クラブの初タイトルが懸かった11月4日のルヴァンカップ決勝・浦和レッズ戦(2-1)でトップ下として先発。先制ゴールを挙げる活躍を見せ、クラブに初のタイトルをもたらすとともに、決勝戦のMVPにも輝いた。

 2020年に長谷部茂利監督と同じタイミングで水戸ホーリーホックから加入した前は、移籍後はボランチが主戦場となっており、トップ下での出場はほとんどなかった。しかし、大一番に向けて長谷部監督はトップ下で起用。その理由について指揮官は、「相手に対して自分たちが機能すること。また自分たちの強みである部分が、守備でも攻撃でも理解して実行できる人間を、コンディションを含めてシャドーで使いました」と、明かした。

 トップ下での起用について、「あるかもしれない、ということは3日前くらいの練習で(監督から)言われていました」という前は、「チームのシャドーの役割として、守備でどこを守らないといけないか、攻撃ではチームがスムーズにいくような立ち位置や最終局面のところは普段はボランチの選手なのでポジションを整理して入れたと思います」と、不安のない状態で試合には入れていたという。

 そして、その期待に応えるように前半5分に前は先制ゴールを記録。チームの初タイトルを大きく引き寄せた。「チームのためにどういう動きをするか。あの得点シーンでは、コンちゃん(紺野和也)がカットインから縦に行ったらクロスというのは頭のなかにあった。怖いところに入っていきたかったし、上手く反応できたと思います」と、胸を張った。

 試合の状況に応じて後半のスタートからボランチに回り、試合の終盤には再びトップ下でプレー。長谷部監督が「非常にいい選手。私が考えていることを、戦術的なところも、私がどういう風に感じるかも、ほぼすべて分かってくれている」と全幅の信頼を寄せる万能性を示して見せた。

「ゼロから1つタイトルを獲れて、クラブとしてもステップアップできたと思いますし、僕自身もこういうタイトルは、ものすごく縁遠かった。ただ、着々とステップを踏んでここまで来られた。こういう決勝の舞台で優勝カップを掲げられたことは、とても嬉しい」

 前はクラブと自身の初戴冠の喜びを噛み締めた。

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