森保ジャパン、10月シリーズで見えた南野拓実の「立ち位置」 久保、鎌田らとトップ下争い…サバイバルの行方は?【コラム】
10月シリーズで2試合に出場
日本代表MF南野拓実(ASモナコ)は10月シリーズでカナダ代表戦(4-1)、チュニジア代表戦(2-0)に出場。インサイドハーフやトップ下でプレーしてゴールこそなかったものの、自身の持ち味を発揮した。今後、11月から始まる北中米ワールドカップ(W杯)アジア予選や来年1月のアジアカップではどのような立ち位置になるのか考察する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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まず、カナダ戦では先発起用された。スタート時にはインサイドハーフとして、試合中にトップ下へと可変しながらさまざまなポジションに顔を出して攻撃を組み立てた。2列目を組んだMF伊東純也、MF中村敬斗(ともにスタッド・ランス)と“フランストリオ”は相性の良さも感じられた。チュニジア戦では途中出場になったが、右サイドハーフに入ったMF久保建英(レアル・ソシエダ)ともいい連係を見せ、気の利いたポジショニングで自身も周囲も生かした。あとはゴールだけ、というところだったが確実に持ち味を出した。
本人は「どこでもいい。試合に出られることが大事」と、起用ポジションにこだわりを見せなかったが、「例えば4-3-3で8番(インサイドハーフ)、4-2-3-1でトップ下に入っても、ビルドアップに関わってフィニッシュに顔を出すという意味では変わらない。それを高いレベルでやっていけるように意識していければ」と、中央からゴールを演出、自身が決めるというイメージはある。
久保とのコンビネーションでは、伊東がベンチに下がった際のオプションとして日本の強みになってくるだろう。
今回は選外だったMF鎌田大地(ラツィオ)とMF堂安律(フライブルク)、離脱したFW前田大然(セルティック)も2列目の候補になってくる。久保が「ひと昔前の日本代表が羨ましい。今の2列目はさすがに、過去に例を見ない」と話すほど熾烈なポジション争いだが、南野が生き残っていく術は今シリーズで示したと言ってもいいだろう。
左サイドはMF三笘薫(ブライトン)と中村が君臨するなかで、南野はトップ下の鎌田との争いになってくる。ゴールを決めていれば文句なしだったが、シュートで終わるという姿勢は見せた。
一方で今回招集されていない鎌田と堂安の立ち位置はアジア予選やアジア杯の登録人数が26人から23人に減少することを考えると少し危うくなった。代表に呼ばれ続けるためにはクラブで結果を残し続けなければいけない。国際Aマッチ期間以外でのコンディション状況が代表での立ち位置も大きく左右してくるのは間違いない。