“闘魂の79タッチ” マンチェスター・U戦で証明された吉田麻也のクオリティ

手を出せば届くところにマンチェスター・Uがいる

 

 ファン・ペルシーには2年前、昇格1年目のホーム戦でもハットトリックを決められ、逆転負け。しかしその時ほど、マンチェスター・Uとの差は感じなかったという。

「正直やっていて、(プレミアデビュー)1年目みたいな感じはしなかった。(この試合では)僕らの方がポゼッション取ってたし、全然やれると感じていたんです。結局、僕らがチャンスを活かせずに、彼らはワンチャンスをモノにしたってことですね」

 手を出せば届くところにマンチェスター・Uがいる。そんな実感を、今季も飛躍し続けるサウサンプトン・イレブンの中にいて、日本代表DFは抱いた。

 また、そう感じていいほど、麻也のプレーは良かった。とくに前半、本当に“魔が差した”としかいいようがないバックパスをファン・ペルシーに引ったくられ、優勢にはじめた試合を台無しにしたセンターバックの相棒フォンテを良くカバーした。

 気落ちした主将の代わりに、最終ラインで声を出した。ビルドアップの第一歩となる場面で、フォンテではなく自分にボールを出せと回りに要求した。そしてポルトガル代表DFの負担を減らし、立ち直らせた。

 けれども、どんなにいいプレーをしても、敗戦という結果ではやはり麻也の気持ちは弾まない。

「この間(アーセナル戦後)もいいましたけど、今の自分が欲しいのは結果。自分が出た試合で勝ち点3を取るというのが僕の仕事。それができないというのが……、この3試合は非常に悔しいし、もどかしいと思う。

 こういったピリピリした空気の中でやれるっていうのは、幸せですけど、このピッチに立ってるだけで満足するんじゃなくて、さらに上に行くことを目標にやっていかないと、先はないと思う。現状に満足しているわけではない。繰り返しになりますけど、監督に信頼してもらえるような選手にならないといけないと思う。この1週間、2週間が勝負だと思います」

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