FC東京に敗色ムードも「逆転できると思った」 殺伐とした雰囲気で意地の一発…19歳FWが見せた反骨心

FC東京の熊田直紀【写真:徳原隆元】
FC東京の熊田直紀【写真:徳原隆元】

福岡との一戦で1-2敗戦、劣勢の展開でFW熊田が豪快ヘッド弾

 その1点がなければ、試合後の味の素スタジアムの雰囲気は、さらに殺伐としたものになっていただろう。9月3日に行われたJ1第26節でホームのFC東京は1-2のスコアでアビスパ福岡に敗れ、両者の勝ち点差を「5」に広げられた。

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 開始11分までに2点を先行されたFC東京は、反撃の糸口が見えないままに前半の45分を終えた。後半に入っても状況は好転しない。ロングボールを蹴り、自陣でのボールロストを回避し、ボールを持たせては低い位置でブロックを築く福岡の戦い方に苦しんだ。

 それでも、後半29分から出場した19歳FW熊田直紀が同41分にコーナーキックから1点を返す。「相手がゾーンで守っていたので、ファーに来れば競り勝てるなと思っていた」という狙いどおりのヘディングで、1点差に詰め寄った。

 このゴールがU-20アジアカップで5得点を挙げ、大会得点王にも輝いた熊田にとってはJ1初ゴール。しかし、熊田は「自分としては悔しさしかない。絶対に逆転できると思っていたので。少ないチャンスでチームとして決めきれなかった」と、唇をかんだ。

 ピッチに入ってからも、「とにかく自分にボールが欲しいなとしか考えていなかった」という熊田は「もっと展開の中でクロスが欲しかったのですが、相手が5バックで堅い守備ということもあって、最後のゴールの部分につながらなかったと思います」と、自身の初ゴールに喜ぶそぶりも見せずに、チームとしての反省の言葉を重ねた。

 FC東京は3日後、ルヴァンカップ準々決勝第1戦(味の素スタジアム)で福岡と再び対戦する。この日、J1初ゴールを挙げた熊田は、「最近は練習でもゴールという形を多く出せている。それをもっと出場時間を伸ばして、試合で出せればと思う。すぐに水曜日、ルヴァン杯があるので、そこで絶対に結果を残して、また次にJ1でスタメンとして出られるようにしたい」と、次の戦いに気持ちを切り替えた。

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