“下剋上”を呼び込んだ岡山の元日本代表候補FW 劇的弾に見えた点取り屋の嗅覚と苦悩

「体を張って1年間頑張った、あいつの結果」

「あそこにいるのが真吾。しっかり仕事をしてくれた」

 FC東京に在籍していた2008年に日本代表候補合宿に参加するなど、本格派のセンターフォワードとしてその名を轟かせていた赤嶺は、11、12年にはベガルタ仙台で2シーズン連続となるJ1自己最多の14ゴールをマークするなど、チームの躍進に貢献した。だが、15年に移籍したガンバ大阪では公式戦でまさかのノーゴール。今季開幕前、岡山へ期限付き移籍で放出された。

 だが、自身初となったJ2の舞台でも、赤嶺は思うようにゴールを奪えない。前線の軸として、累積警告で出場停止となった第38節京都サンガF.C.戦(0-2)以外の41試合に先発出場も、奪ったゴールはわずか「4」。かつてJ1で輝きを放った点取り屋としては歯がゆい日々を過ごしたはずだが、チームのために前線で体を張り続けた奮闘が、J1昇格プレーオフ準決勝の舞台で実を結ぶ。

「真吾が今年、なかなか点が取れなくてもああやって体を張って1年間頑張ったこと、それが最後に見えましたね。我慢したあいつの結果だと思います」と、チームリーダーの岩政も称えたストライカーの献身性が劇的な決勝ゴールを呼び込み、1年でのJ1復帰を目指した松本の野望を打ち砕いた。クラブ史上初となるJ1昇格プレーオフ決勝の相手は、充実した戦力を誇るセレッソ大阪。1週間後の決戦へ向けて「ゆっくり休んで頑張ります」と朴訥と意気込みを語った赤嶺は、岡山の最前線で虎視眈々と下剋上を狙っている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

 

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