日本代表OBが選ぶJ1「前半戦ベストイレブン」 香川&大迫のベテラン組、「間違いなく入る」と高評価のDFは?

栗原勇蔵氏が選んだJ1の前半戦ベストイレブン【写真:徳原隆元】
栗原勇蔵氏が選んだJ1の前半戦ベストイレブン【写真:徳原隆元】

【専門家の目|栗原勇蔵】システムは「3-5-2」、名古屋からCB2人を選出

 6月の国際Aマッチウィークも終わり、J1リーグは全チームがシーズン半分の17試合を消化。後半戦の戦いに突入している。「FOOTBALL ZONE」では、「前半戦通信簿」と題してJ1の前半戦を分析。元日本代表DF栗原勇蔵氏に、前半戦ベストイレブンを選んでもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

   ◇   ◇   ◇   

<GK>
■朴 一圭(サガン鳥栖)
今季成績:20試合出場・24失点

「朴一圭はピンチの数がほかのチームに比べたら多いなかで、セーブ数(88)とセーブ率(78.6%)でリーグトップを記録し、失点を防いでいると思います。何より足元の技術が高い。今はもうそこがかなり重要視される時代なので、総合的に見て、朴一圭を選びました。

 次点は、西川周作(浦和レッズ)と前川黛也(ヴィッセル神戸)。西川は川崎フロンターレ戦で足元のミスから失点しましたけど、37歳にして安定感が増している。ただ、浦和の場合は守備陣、特にセンターバックの助っ人2人(アレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテン)がいいし、マチェイ・スコルジャ監督の下で戦術的にも整備されているのも大きいと思います。前川は1試合消化が少なくて、失点はリーグ最少。今季は成長を感じます」

<DF>
■藤井陽也(名古屋グランパス)
今季成績:20試合出場・1得点2アシスト

■中谷進之介(名古屋グランパス)
今季成績:20試合出場・1得点1アシスト

■アレクサンダー・ショルツ(浦和レッズ)
今季成績:20試合出場・3得点1アシスト

「名古屋の藤井は間違いなく入るでしょう。3月シリーズで日本代表に選出されましたけど、身長187センチで空中戦に強いし、1対1も持ち味。自分の能力を存分に発揮している。今、Jリーグの日本人センターバックの中ではたぶん一番ポテンシャルを秘めていると思います。中谷には名古屋の3バックでリベロを務めているし、相手の攻撃を跳ね返す力と守備の要としてのリーダーシップを感じます。ショルツはもともと力のある選手ですけど、強くてスピードもあって、機を見て持ち上がっていくこともできる。評価が高いのも分かります。浦和のホイブラーテン、札幌の田中駿汰も前半戦の内容は良かったと思います」

今年Jリーグに復帰した香川や大迫のベテラン組が活躍

<MF>
■渡辺皓太(横浜F・マリノス)
今季成績:20試合出場・1得点0アシスト

■齊藤未月(ヴィッセル神戸)
今季成績:17試合出場・0得点1アシスト

■マテウス・カストロ(名古屋グランパス)
今季成績:20試合出場・4得点2アシスト

■香川真司(セレッソ大阪)
今季成績:20試合出場・2得点0アシスト

■エウベル(横浜F・マリノス)
今季成績:20試合出場・7得点7アシスト

「ボランチは渡辺と齊藤を推します。渡辺はボールを持って前を向いた時に局面を変えられる。守備でもフィジカルコンタクトが課題でしたけど、球際で戦って潰せるようになって、バチバチしても負けない場面が増えた。(2019年の)移籍直後はF・マリノスに馴染めない部分もあったので、ようやく東京ヴェルディで評価されていた部分が発揮できるようになった印象です。齊藤は神戸のディフェンスラインがやや物足りないなかで、中盤のフィルター役として、バランスを上手く取りながら奮闘していますね。

 香川は34歳で運動量も多く、怪我なく全試合出場。今年、日本に戻って対応できないかもと、懸念されましたけど、しっかりプレーしているので後半戦も期待です。エウベルはスピードに乗った時にはもう止められない。アシストもできるので、F・マリノスの攻撃はアンデルソン・ロペス、ヤン・マテウス、エスベルの3人で決まる。今助っ人の中でも3本の指に入る実力者だと思うし、選んでも誰も文句はないでしょう。マテウスは小さいけど、推進力とパワー、広いシュートレンジは相手にとっては脅威。パンチ力がある上に無回転だったりするので厄介ですね。

 日本代表に初選出された伊藤敦樹(浦和)は、身長185センチでボランチとしては大型の部類に入り、1対1にも強いので、ああいう選手が真ん中にいると頼もしいという意味で、存在感を発揮したと思います」

<FW>
■大迫勇也(ヴィッセル神戸)
今季成績:19試合出場・13得点3アシスト

■アンデルソン・ロペス(横浜F・マリノス)
今季成績:20試合出場・15得点2アシスト

「FWは大迫とアンデルソン・ロペスで決定でしょう。身体能力が高くて強いロペスは前線でキープできるし、ひとたび前を向いたらスピードもある。ヘディングでのゴールも武器に加わって、得点パターンが増えた印象です。大迫はチャンスをものにする力というか、難しいシュートもきっちり決めてくる。身体も張れるし、大迫がいるのといないのとではチームの安定感が違いますね。

 キャスパー・ユンカー(名古屋)や鈴木優磨(鹿島)も結果は残しています。ユンカーはいいポジションにいて点は取っている(第20節終了時点で11ゴール)反面、周囲の影響も大きい。鈴木は決して悪くないし、一時期のきつい時期は乗り越えましたけど、波がある印象です」

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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