マンCの同点弾、VARが介入しなかった理由を海外メディアが考察 「レビューの対象にはならない」

シティの同点弾を巡り疑惑の判定【写真:ロイター】
シティの同点弾を巡り疑惑の判定【写真:ロイター】

シティの攻撃に移った局面に注目

 イングランド1部マンチェスター・シティは、現地時間5月9日にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦でレアル・マドリードと対戦。アウェーで1-1と引き分けたが、ベルギー代表MFケビン・デ・ブライネの同点弾の前にタッチラインを割っていた可能性が浮上。判定事象を海外メディアが検証している。

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 前半36分にレアルFWヴィニシウス・ジュニオールがカウンターから強烈なミドルシュートを叩き込み先制弾を奪う。一方のシティは後半22分に反撃の一発をデ・ブライネが決める。ペナルティーエリア手前で味方の落としを受けたデ・ブライネが右足一閃。強烈なシュートがゴールネットを突き刺した。しかしこの同点弾の直前、MFベルナルド・シウバが右サイドのタッチライン際で浮き球を受けた際にボールがラインを越えたように見える。

 レアル側は抗議するも判定は変わらず。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入もなく、カルロ・アンチェロッティ監督は審判団に抗議した結果、イエローカードを提示された。

 英紙「メトロ」は「ボールが外に出たか証明する決定的な写真はなかったが、放送局『beIN SPORT』はスタジアム内に設置してある複数のカメラを駆使して3D画像を作成。その結果、ボール全体が数ミリ単位でラインを割っている」と言及。この試合の解説を務めたアーセン・ベンゲル氏も苦言を呈していた。

 そんななか、米スポーツ専門局「ESPN」は「デ・ブルイネのゴールが無効とならなかった理由」と題して事象を考察している。同メディアは「レアルMFエドゥアルド・カマヴィンガが、ボールがアウトオブプレーになったかもしれない後、プレッシャーがかかっていない状態でパスミスしボールを手放したため、攻撃フェーズ(APP)がリセットされ、ゴールが認められたことを確認した。そのパスより前のものは、レビューの対象にはならない」と見解を述べた。

 APPとは(アタッキング・ポゼッション・フェイズ)の略で、攻撃側チームがボールを保持し攻撃に移る局面を意味する。VARが確認できる場面は(1)得点か得点でないか(2)ペナルティーキック(PK)かPKでないか(3)退場(2つ目の警告によるものではない)(4)人間違いの場合に限られ、遡れる範囲はAPPの地点までとなる。

「ESPN」では、上記原則に則り「VARレビューの対象にはならない」という見解だ。また、実際にボールがラインを割っていたかどうかについては「出回っている画像は放送局『beIN SPORT』が作成したもので、VARの使用が承認されているわけでも、利用できるわけでもない。サイドライン上でボールがアウトオブプレーになるのを確認するための特別な技術もない」と警鐘も鳴らしている。

 CLという大きな大会で起きた物議を醸す同点弾。その反響は未だとどまる気配はなさそうだ。

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