新生森保ジャパンの初日の練習で見えてきた“人間関係” 意欲を見せた注目の存在は?

練習初日のジョギングに注目【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
練習初日のジョギングに注目【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

【識者コラム】橋岡大樹、谷晃生が積極性を見せたジョギングの“2列目”に注目

 いよいよ第2次森保ジャパンが3月20日に始動し、練習をスタートした。

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 この日、集合したのはGKシュミット・ダニエル、大迫敬介、谷晃生、DF板倉滉、伊藤洋輝、橋岡大樹、瀬古歩夢、藤井陽也、バングーナガンデ佳史扶、半田陸、MF/FW遠藤航、守田英正、浅野拓磨、西村拓真、上田綺世、町野修斗の16人。前日や当日帰国した海外組の選手、Jリーグ組では前日試合だった選手もいて、練習自体は身体をほぐす程度の内容だった。

 今回はこれまでのキャプテン吉田麻也や、長く日本代表のムードメーカーとなってチームを盛り上げてきた長友佑都が選ばれていない。そのため誰がその役を引き継いでチームを牽引していくのか注目される。

 森保一監督はメンバー発表記者会見で今回のキャプテン候補について、「全く決めていない。すぐ決めなくてもいいかと思っている。最初から決めるよりも活動をとおして決めていく」とリーダーを決めていないことを明らかにした。

 誰が日本の前面に出るという重責を担うのか、そしてその意欲があるのか。背負う気持ちは練習最初のジョギングからにじみ出る。昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)まで、走り始めると先頭に立っていたのは吉田と長友の2人だった。また、谷口彰悟がそのすぐうしろに着くこともあった。

 今回、ジョグが始まってすぐ先頭に立ったのは遠藤。そしてすぐうしろに、板倉、町野、橋岡、谷の4人が並ぶ。

 遠藤は吉田不在の時にキャプテンを務めており、チーム最年長で日本代表での出場試合数はメンバーの中で一番多い47試合と、当然ながら牽引する役になるはずだ。だが、これまでの吉田や長友がぐいぐい引っ張っていたのとは少し違い、遠藤はうしろを見つつペースを調整する。そのぶん、2列目との距離はあまりなかった。

 注目すべきは2列目の、W杯メンバーに入っていなかった代表出場数2試合の橋岡や、1試合の谷が積極性を見せたこと。代表定着と次回のW杯に出場したいという意欲の表れだと思われる。

 だが、果たしてここからほかの海外組が合流してきた時、遠慮してうしろに下がるのか、あるいは自己主張していくのか。はたまた3月21日になるとほかの選手が前に出て牽引しようとするのか。新しいチームらしく、そんな人間関係も混沌としている。

 もちろん先頭に立つのだけがいいということはない。いつも最後尾付近を走りたがるベテランというのもいる。この日の最後尾は浅野、その1列前は守田だった。浅野と守田のチームへの貢献度は言うまでもない。

 この日はわずか2周のジョグだったが、それでも見るべきポイントはたくさんある。この日は約600人の親子連れに見られながら、選手たちは張り切って走っていた。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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