名門マンUが「V字回復」 悪夢の連敗スタート→3位上昇…テン・ハフ体制“劇変”へ導いた3つのポイント

2023年に入り、負けなしで勝ち点を積み上げているユナイテッド【写真:ロイター】
2023年に入り、負けなしで勝ち点を積み上げているユナイテッド【写真:ロイター】

テン・ハフ監督を迎えた今季序盤の成績から一転、快進撃を導いた要因に注目

 イングランド1部マンチェスター・ユナイテッドは今季からエリック・テン・ハフ監督が就任した。プレミアリーグで開幕2連敗という最悪のスタートを切ったが、FWクリスティアーノ・ロナウドの電撃退団を経てV字回復を遂げている。“赤い悪魔”に何が起きているのだろうか。

 昨季のプレミアリーグ6位という結果を受け、クラブ首脳陣はオランダ1部アヤックスで結果を残したテン・ハフ監督に再建を託した。夏の移籍市場ではMFポール・ポグバやFWエディンソン・カバーニらが退団。代わりにMFクリスティアン・エリクセン、MFカゼミーロ、FWアントニー、DFリサンドロ・マルティネスらを獲得した。

 そして迎えた2022-23シーズン、プレミアリーグ開幕戦でブライトンに1-2で競り負けると、続く第2節でもブレントフォードに0-4で完敗。悪夢の連敗スタートでテン・ハグ監督や、低調なキャプテンのDFハリー・マグワイアへの風当たりは一気に強くなった。

 第3節のリバプール戦(2-1)の勝利を皮切りに4連勝と一時は立て直したが、第9節マンチェスター・シティとの「マンチェスター・ダービー」で3-6とショッキングな敗戦を喫してしまう。序盤の不安定な戦いぶりにサポーターも「こんなはずではなかった」と頭を抱えただろう。

 しかし、ここからチームは浮上していく。昨年11月のリーグカップ3回戦のアストン・ビラ戦(4-2)からカタール・ワールドカップ(W杯)を挟み、先日のプレミアリーグ第20節マンチェスター・シティ戦(2-1)までに怒涛の公式戦9連勝。プレミアリーグでは3位まで駆け上がってきた。

 この快進撃を導いた要因として3つポイントを挙げておきたい。1つ目はテン・ハフ監督の忖度なしの采配だ。

 このオランダ人指揮官は前線からハイプレスと後方からのビルドアップなど志向するスタイルに合わない選手を外すことを厭わず、アンタッチャブルだったC・ロナウドすらもベンチに座らせた。のちに電撃退団するポルトガル人アタッカーは英国のテレビインタビューでテン・ハフ監督のことをリスペクトがないと批判したが、皮肉なことにC・ロナウドが最後に出場した第15節アストン・ビラ戦(1-3)での黒星を最後にチームは現在まで無敗を続けている。

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