森保ジャパン、データ上グループリーグ3戦全敗でもおかしくないW杯での勝ち上がり方
【識者コラム】2018年W杯でドイツは初戦黒星も、今回は格段に調子はいい
いよいよカタール・ワールドカップ(W杯)登録メンバーも発表され、この時期は期待が高まるのが普通だ。活躍が報じられているヨーロッパ組の面々も顔を揃え、明るい要素が増えていっているようにも感じられてしまう。だがもう一度現実を振り返って考えると、実際は過去のW杯の中で最も過酷な戦いが強いられることは間違いない。
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これまで日本代表はグループリーグ初戦を落とした場合、ベスト16に進んでいない。そのため初戦のドイツ代表戦は非常に重要になってくる。ドイツは2018年のロシアW杯で初戦のメキシコ代表戦を落とした。ならば今回もチャンスは……と考えたくなる。
だがドイツは2018年、3月にスペイン代表に引き分け、ブラジル代表に負け、6月にもオーストリア代表に敗戦し、大会直前のサウジアラビア代表戦で2-1というスコアで(しかもドイツの1点はオウンゴール)と調子が上がらないまま本番を迎えたのだ。2018年のW杯初戦でメキシコに負ける要素は垣間見えていた。
では、今年はどうか。3月にイスラエル代表を2-0で下すと、その後はオランダ代表、イタリア代表、イングランド代表、ハンガリー代表に1-1で引き分け、6月にはイタリア代表を5-2で下した。9月はハンガリー代表に0-1の敗戦を喫したが、アウェーのイングランド戦は3-3で引き分けている。前大会に比べると格段に調子はいい。
コスタリカ代表は2022年、W杯予選を含めて11試合を戦っている。9月に韓国代表と2-2で引き分けているほか、アウェーのメキシコ代表に0-0、ホームのカナダ代表は1-0、アメリカ代表戦は2-0と、決して侮っていい相手ではない。スペイン代表は2022年に入ってから5勝2分1敗。W杯出場国であるポルトガル代表とはホームで引き分けたが、アウェーでは1-0と下している。
日本が2022年に入ってW杯出場国と対戦したのは、2月のサウジアラビア(2-0)、3月のオーストラリア(2-0)、6月のブラジル(0-1)、6月のチュニジア(0-3)、9月のアメリカ(2-0)、9月のエクアドル(0-0)。エクアドルにはシュート数で上回られる結果だった。
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。