監督に最も必要なものは何? オシムが考える理想のチームマネジメントとは

ボスニアと日本に対する思い

  ──オシムさんは日本代表監督を退任した後、2011年の春にボスニアが資格停止処分を受け、このままではジェコやピアニッチたちがワールドカップ予選に出場できないというタイミングで「正常化委員会責任者」に就任したわけですが、事実上のサッカー連盟会長代行として処分解除への努力や、スーシッチ代表監督のサポートまで、ご苦労があったと思います。
  「それだけ知っていれば十分だろう(笑)。スーシッチと選手たちがよくやった。彼らの手柄だ。それより、ブラジルで日本と当たることになったらと、今から心配している」
  ──やはり、ボスニア代表が心配だと。
  「日本代表を心配しているんだ(笑)」
  ──お手柔らかにお願いします(笑)。では宮本恒靖・特別編集長が前々から聞きたかった質問です。オシムさんは2005年秋に宮本選手に「ガンバが優勝すべきだ」と語ったそうですが、その真意は?
  「オールスター戦の時の話か。率直な気持ちだった。当時のガンバは日本のチームとしては技術もスピードも備えたチームだった。よく走り、ボールを保持してチャンスをたくさん作る。日本サッカーの未来モデルをしめすようなスタイルだった」
  ──バルセロナやスペイン代表のような。
  「とまでは言えないが、西野監督のもとで、少なくともヨーロッパの現代的なサッカーをめざすポテンシャルが日本人にもあると証明するチームだった。サポーターの応援もよかった。そのガンバが優勝すれば日本中のお手本になると。その時、ジェフも優勝争いをしていたが、ガンバのようなサッカーをするチームが優勝すべきだと本心から考えていた。(注=その時点ではG大阪が首位、ジェフ千葉は勝点差9で5位につけていた。2005年シーズンは最終的にG大阪が優勝、ジェフを含む4チームが勝ち点差1で並ぶ接戦だった)」
  ──そのガンバがその後、まさか2部に降格するとは。
  「本当に驚いた。西野監督が作り上げたチームだが、壊れるのは一瞬だった」  

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