「日本の生命線になる」 玉田圭司が見たW杯メンバー、森保ジャパンの“キーマン2人”は?

玉田圭司がキーマンに指名した2選手とは?【写真:ロイター】
玉田圭司がキーマンに指名した2選手とは?【写真:ロイター】

【専門家の目|玉田圭司】日本のW杯メンバーが決定、期待を寄せる選手指名

 カタール・ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表メンバー26名が発表され、本大会に臨むチームの輪郭が浮かび上がった。W杯優勝経験国であるドイツ、スペインの2強が同居する厳しいグループで、日本は史上初のベスト8入りを果たすべく、まずはグループ2位以内での突破を目指すなか、かつて、名古屋グランパスや柏レイソルで活躍し、W杯2大会連続出場経験を持つ元日本代表FW玉田圭司氏に、日本のキーマンを訊いた。

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 日本の本大会メンバー26人の顔ぶれは大方、予想の範疇だった一方、大迫勇也(ヴィッセル神戸)や原口元気(ウニオン・ベルリン)、FW古橋亨梧(セルティック)の落選という意外な一面も。また経験の浅い若手が多く選ばれたのも特徴的で26人のうち、25歳以下は11人。うち5人はAマッチの出場回数が10回以下となっており、若手を抜擢したことについて森保一監督は「伸びてきている経験の浅い選手も大切にしたい」と意図を説明している。

 日本(FIFAランキング24位)は、今月20日に開幕するカタールW杯のグループリーグでドイツ(同11位)、コスタリカ(同31位)、スペイン(同7位)と対戦。優勝経験国のドイツ、スペイン、2014年大会でベスト8入りを果たしているコスタリカといずれも手強い相手との3試合を控える。今回のメンバー発表を受けて玉田氏は、「ボールを持たれるというのが前提条件であるようなメンバー構成」と見解を述べたうえで、W杯本大会でキーマンになり得る選手2人を挙げた。

「日本は中盤の真ん中に関して言うと、世界のトップの国と比べても遜色ないレベルの選手が揃っていると思うんです。今回発表された26人の選出メンバーを見ると、グループの特にスペイン、ドイツをリスペクトしたうえでの人選のようにも見えますが、そのなかでも鎌田(大地/フランクフルト)選手、守田(英正/スポルティング)選手はキーマンになるんじゃないかと思います」

 フランクフルトの攻撃を牽引し、今や欧州各国クラブから熱視線が注がれているとされる鎌田、そして、今夏加入したスポルティングで主力の地位を確立し、経験値を積み重ねる守田。ここ数年、所属クラブで瞬く間に成長し、森保ジャパンに不可欠な戦力へと成り上がった彼らの存在価値は、チームを機能させるうえで大きな鍵を握っていると玉田氏は見ている。

「鎌田選手はボールに触れながらリズムを作るタイプで、そのあたりを理解しているのは守田選手だと思います。この2人が上手く連係しながらサイドにパスを散らしたり、前線の選手を上手く使いながら自分たちも前に入っていくだとか、日本の攻撃の生命線になってくるんじゃないかと思うんです。サイドの選手にいかに良い形でボールを供給していくかというのもこの2人に懸かってくるだろうし、彼らに期待したいなと思います」

 強豪国揃いのグループリーグを戦う日本は果たして、史上初となるベスト8入りを果たせるのか。カタールの地で幕開けする大舞台で、その戦いぶりに注目が集まる。

[プロフィール]
玉田圭司(たまだ・けいじ)/1980年4月11日生まれ、千葉県出身。名門・習志野高校から99年に柏レイソルへ入団。プロ5年目で主力に定着し、2桁得点をマークした。2004年に日本代表へ初招集。名古屋グランパスへ移籍した06年にはドイツW杯へ出場し、第3戦ブラジル戦でゴールを決めた。10年南アフリカ大会でW杯2大会連続出場。国際Aマッチ通算72試合16得点を記録した。セレッソ大阪、V・ファーレン長崎にも所属し、Jリーグ通算511試合131得点した左利きのストライカー。21年に現役を引退した。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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