「あれがヴィニシウスだ」 ダービーでリード時のヒールリフトが波紋、レアル監督はお咎めなし「才能を取り上げられない」
アンチェロッティ監督、2-0の局面は「難しい瞬間だったとは思わない」
スペイン1部レアル・マドリードは、現地時間9月18日に行われたリーガ・エスパニョーラ第6節でアトレティコ・マドリードとの“マドリード・ダービー”に臨み、2-1で勝利した。この試合でレアルが2-0でリードをしていた時に、レアルのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが見せたヒールリフトが相手への侮辱ではないかと指摘されるなか、カルロ・アンチェロッティ監督は、問題ないと考えているようだ。スペイン紙「AS」が試合後のコメントを報じている。
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ヴィニシウスは、自身がゴールを決めたあとにダンスを踊る恒例のゴールパフォーマンスが、相手に対するリスペクトに欠けるのではないかとして批判を浴びた。そのなかには「まるでサルだ」という人種差別と捉えられる表現のものもあり、ブラジル代表の先輩であるペレ氏やFWネイマール(パリ・サンジェルマン)が、ヴィニシウスに踊り続けるようにアドバイスを送った。また、ヴィニシウス自身も過去にダンスでゴールセレブレーションをした選手たちの動画とともに、自身の考えを述べて、ゴール後に踊り続けることを宣言している。
そうしたなかで迎えたアトレティコのホーム開催となったマドリード・ダービーでは、試合前からアトレティコのファンにヴィニシウスへの人種差別チャントが行われた。
試合では、前半18分にブラジル代表FWロドリゴが先制点を挙げると、アトレティコのファンの前で、ヴィニシウスとダンスを踊ってゴールを祝福。前半36分には、左サイドでクロアチア代表MFルカ・モドリッチとワンツーをしたヴィニシウスが、そのままゴール前へドリブルを仕掛けて、シュートを放つ。これは左ポストを叩いたが、こぼれ球をウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデが押し込み、ヴィニシウスがゴールをアシストする形となった。
そして、2点リードの状況で、ヴィニシウスは、ベルギー代表MFアクセル・ヴィッツェルに対してヒールリフトを仕掛けた。ヴィッツェルが身体を入れてヴィニシウスの突破を阻んだが、この行為が再びリスペクトを欠くものではないかと指摘されている。
その後、1点差に詰め寄られて逃げ切ったレアルだが、試合後にヴィニシウスのヒールリフトについて、どう考えるかを問われたアンチェロッティ監督は「分からない。チームにとって難しい瞬間だったとは思わないし、もっと上手くボールを扱えたはずだが、あれがヴィニシウスだ。私は彼の在り方や才能を取り上げることはできない。なぜなら、それが私たちの2点目を生み出して、ダービーを勝利することにつながったからね」と話し、認める姿勢を示している。
なお、試合後にヴィニシウスは自身の公式ツイッターからメッセージを発信。ロドリゴのアカウントとともに、「好きな場所で踊ろう」と、2人が踊っているゴールセレブレーションの画像を公開している。