ドイツ遠征招集の万能FW町野修斗、日本代表の“1トップ問題”解消へ野心「日本のエースになれるように」

湘南FW町野修斗【写真:高橋 学】
湘南FW町野修斗【写真:高橋 学】

ビルドアップ、背後への抜け出し、両足と頭のどこでも得点できる万能性が武器

 森保ジャパンにとって、11月に開幕するカタール・ワールドカップ(W杯)の日本代表メンバー発表前最後のテストマッチとなる9月のドイツ遠征(23日アメリカ戦、27日エクアドル戦)メンバー30人が発表された。そのなかに、E-1選手権でA代表デビューを飾り、3ゴールとアピールに成功したFW町野修斗(湘南ベルマーレ)の名前もあった。夢の舞台へ、最後のチャンス。8月に実施した元日本代表DF栗原勇蔵氏との対談を基に、町野の熱い思いを振り返る。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 これまで代表常連組が順当に選出されたなか、町野、MF相馬勇紀(名古屋グランパス)、DF瀬古歩夢(グラスホッパー)は、最後のテスト感がほかのメンバーよりも一層強い。森保一監督は、E-1選手権でともに3ゴールと活躍した町野と相馬の選出について記者会見で、「所属チームでのパフォーマンスを見ていて、彼らがA代表のグループに入っても機能できると確認し、選ばせてもらった」と理由を説明した。

 森保ジャパン発足以降、MF南野拓実(ASモナコ)とともにチームトップタイの17ゴールを挙げているFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)が怪我やコンディション不良の影響もあって今年2月のW杯アジア最終予選以降は招集が見送られており、“1トップ問題”“ポスト大迫問題”は依然として解消されてない。そのなかでは、身長185センチ・77キロと大型ストライカーに分類される町野への期待は大きい。町野は自分の特長について、このように語っている。

「ビルドアップや中盤との連係は、ほかの選手よりもできると思っているし、背後への抜け出しで起点を作ったり、ペナルティーエリア内で右足、左足、頭とどこでも得点を取れるのは自分の武器だと思っています」

 町野自身、9歳年上の大迫のことを目標にして、自分磨きに努めてきたという。

「大迫選手は大きい相手と対峙してもしっかりボールキープできるし、ゴール前で多彩なプレーを持っているなと。『ああいう選手になりたい』と目標にしていた選手と比較されるところまで来たんだなという気持ちはあります。ただ、僕は結果を出し続けないといけないチャレンジャーの立場。おそらく(同じタイプがW杯メンバーに)2人選ばれることはないと思うので、その競争に勝ちたいです」

 A代表デビューを飾ったE-1選手権では、大会前に目標として掲げていた3ゴールを見事達成してアピールに成功。それでも、町野に慢心は一切ない。

「日本代表に選ばれて出場するからには、『自分のゴールで勝ちたい』と思うのがストライカーだと思いますし、僕もそういう気持ちを強く持ってプレーしています。自分は選手として、『ストライカー』じゃなくて、『エース』と呼ばれたいです。どんな時も得点を取れるのがエースだし、“日本のエース”になれるようにゴールを狙い続けます」

 9月シリーズで、森保監督にどこまでアピールできるか。大逆転でのカタールW杯行きへ、町野は野心に満ちている。

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